THIS IS ENGLAND

サッチャー政権下の1983年イギリスの田舎町、ワーキングクラスで暮らす少年がカッコイイ兄ちゃん達に出会うのだけど、彼らの服装がコト細かにキマってて良いのです。
スキンヘッドに、ベン・シャーマンのチェックのシャツ、細みのジーンズの裾を折り返して、足元は勿論マーチンのチェリーレッドの8ホール!! 素敵!!*1アノラックとかMA1とかフレッド・ペリーのポロシャツとか、はてまたストロベリースイッチブレイドなオンナノコ(この子の微妙な様がまたリアル…)とか、雑誌「street」に掲載されてたロンドンの子たちって風情で、それを見るだけでも楽しい!
ファッションに力が込められていたのは監督・脚本のシェーン・メドウズの「当時、みんな自分の内にあるもの、自分の存在を外見で表現していた。心を着ていたんだ。」という言葉で納得。ストーリーに自伝的要素が込められているようです。
家にみんなで集まってかかる音楽は勿論レゲエにスカにロックステディ、馴染みのカフェでだべったリ、無茶したり、歳や人種を超えてバカなコトをやって妙なテンションでゲラゲラ笑い合う、そのひとときがタマラなかった。そこには鈍い灰色の空の下、ドン詰まりで刹那的な日常の繰り返しだってことが感じられたから。
そんな当時のイギリスの社会情勢が若者たちにいかに暗い陰を落とし歪みをもたらせたかが徐々に露になる。あの空気によってnew waveが生まれたのだしギャラガー兄弟はワーキングクラスのヒーローであるのだなと改めて感じたのでした。今またこんな世界的金融危機で、ここから生まれるユースカルチャーは一体どんなものなのだろうか?

*1:ウディ役の子がちょう好み!!(ミーハー)、オンナノコではロル役の子!はすっぱでクールでカワイイ!!