リミッツ・オブ・コントロール

Limits of Control

Limits of Control

前作でちょっと日和ったかのようにも思えたけれど、いやいやジャームッシュの芯は何も変わっちゃいない。
borisを中心とした音楽がカッコ良かった!単なるBGMではなく「ひとつの意志」を持って存在し、細やかで大胆な映像と見事にリンクして出来上がったパースペクティブな空間に、思わせぶりな台詞が音符のようにふわふわふわりふわり。余韻がじわじわと残っていて、もういちどもういちどと繰り返し見たくなる。が今日は最終日なのであった。いい音響で見るべき映画だと思う。
パーマネント・バケーション」の詩的映像を思い起こしながら、これまでの作品全てを包括しつつ、静かに重いパンチを食らわしてくれました。「今更アオイなー、独りよがりだなー」と白んでしまう危険性を孕みつつ、そこは勿論、歳を経たぶん巧妙で。
美術館のシーン、よかったな。男が見ている作品から伝わってくる。
んでやっぱりちょっとしたトコが効いていて、台詞とかポーズとか真似したくなるのだなー。ジャームッシュの映画ってそういうの多い!
エスプレッソも名脇役。あ、そうだ、この映画はマグカップで飲む薄くて胸焼けするアメリカンコーヒーではなくって、世の中の出来事を抽出したエスプレッソみたいだ。苦くて酸っぱくて甘い、濃厚な。
ああ、もういっかい見たい。