奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解展

現代美術館での特撮展の興奮も冷めないまま出掛けた「奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解展」、イヤー、オモシロカッタ!!

大伴昌司(1936〜1973)は、1960年代後半から70年代前半にかけて、少年雑誌の巻頭グラビアや図解記事の企画・構成・レイアウトを手がけたほか、ミステリ雑誌・SF雑誌のライター、テレビ脚本、映画評論など、多彩なジャンルで才能を発揮した希代のプランナー、そしてジャーナリストです。
ウルトラシリーズ」に登場する怪獣の性格や体内構造を詳細に設定し、少年雑誌で特集を組み、「怪獣大図解」「ウルトラ怪獣入門」等の書籍で紹介して怪獣ブームの火付け役となりました。
「一枚の絵は一万字にまさる」と、ビジュアルジャーナリズムの力を信じた大伴昌司。
本展では、少年マガジンを中心とした少年雑誌で、怪獣や特撮映画、SF、恐怖文学、CM、劇画など多彩なテーマを先駆的なビジュアル構成で紹介し、多くの人に影響を与えた大伴流〈大図解〉の世界を、ラフスケッチや構想メモ、南村喬之柳柊二石原豪人、水氣隆義らの挿絵原画、当時の雑誌資料などからご紹介いたします。
〜以上、公式サイトより引用〜

展示された原画や雑誌掲載図がいちいちツボ。怪獣の体内構造などを記したラフもいちいち良くって、小躍りしながら見た。
鉛筆書きのそれは勿論ザックリと描かれているけれど、変に詳細なところもあったりして、なんというか「ココ!ココ!」って、オレはコレをこうやって伝えたいんだ!という情熱が溢れていて、グッとくる。
これを元にイラストを描いた方々もタイヘンだったと想像できますが…大伴さんの「仕事ぶり」により伝えられたことの大きさに気付かされる。「一枚の絵は一万字にまさる」とは、なるほどなあ。。。
特撮展が職人たる作り手の視点から発見出来たとするならば、本展はそれを更に展開した切り口を発見出来た。昨今は、裏方のことも筒抜けの「嘘の付けない」時代で、何かにつけてイチャモンつけられるよな、ジャーナリズムもなにも無いかのような状況だけれど、如何に嘘を付いて楽しませるか/それを楽しむかっていう想像力って大事だよなあとしみじみ思う。

特撮展はある程度幅広い層が来ていたけれど、こっちはもっとハードコアな客層…だというのに「乙女の殿堂」弥生美術館で開催のため、入り口では「ロリータファッション」に身を包んだ方々(こちらもハードコア)と行き違い、なかなかシュールでありました。