割礼「ネイルフラン」

ネイルフラン(紙ジャケット仕様)

HMVが企画する、アルバムを収録順どおりに演奏するシリーズ「GET BACK SESSION」。ヴァセリンズのときに見に行きましたが、今回は割礼が「ネイルフラン」「ゆれつづける」でライブ！ 失礼ながらこういう企画を持ちかけられ＆OKするようなバンドとは思えなかったので、ビックリしました。会場は下北シェルター。
静まり返った狭い会場のステージの上、宍戸さんがふっと小さく息を吸うように構えた瞬間、時間が止まる。手の平がゆっくりゆっくりと上から下へ空を切る。スローモーション映像を見ているかのようだ。アンコール含めて２時間。ギィ…ギィ…と引きづられたのか、ごぼごぼごぼと溺れていたのか、ずむんずむんと埋もれていたのか、ふわあと漂っていたのか、ぐにゃんと溶けていたのか、なんだかよくわからない。割礼の音は硬質で、でも柔らかくて、銅版画のようだなあ。私のからだは固まってしまい、音だけが空間を流れていき、頭に浮かぶのは実家のリビングのカセット・デッキ。