理想の街

馴染みのカレー屋へ。隣にきた若い男女、メニューにセットの説明(カレーは上から2つ選んでください)と書いてあるのに「セットってなんですかー」って聞いていて、店員さんの説明を受けて「じゃあ、セットの…チキンカレーで」「もう1つは…?」「え?」「いえ、あの、カレーを2つ選んでいただくので…」「だからチキンカレーで」と繰り返すので、もう一度説明してくれて漸く把握していたんだけど、いったいなんつうコントなのだろうか。
軽くイラッとしつつも、美味しく食べ終わって会計のときに、前にここで働いていて遠い地元に帰っていた人が昨日遊びに来ており、私のことを言っていたと教えてもらって嬉しかった。友達とも知人とも違う、こんな繋がりはくすぐったくて有り難く思う。


移動して阿佐ヶ谷へ。写真展を見てから阿佐ヶ谷住宅へ向かう。


もう、フェンスで囲われていた。

このテラスハウスの並ぶくねった道が好きだ。


ガリガリガリ・・・




それでも給水塔はシンボルだ。

戦後の高度経済成長の折り、新しい暮らしへの理想を高く掲げてつくられたこの住宅がたった50年程度で取り壊されるなんて。昨今はそんなところばかりだ。建設当時、受け継ぐことを想定すらしていないように。あのときの「理想」っていったいなんなんだろう。

東京オリンピックが開催されることになり、それにむけて都内のインフラは更新される(理由がついた)。公共の集合住宅でいえば霞ヶ丘と辰巳一丁目は確実に取り壊されるだろうなあ。
街並はどれほどの変貌を遂げるのだろうか? たった1ヶ月間の行事のために突貫工事で付け焼き刃で取り繕うのではなく、受け継がれる理想であってほしい。でも今の日本で理想を掲げてまず第一に再構築すべき場所は、東京ではないのに。