10月の雨と水の音

雨の土曜日。金木犀はますます濃厚に薫る。お昼にうどん屋。馴染みの店の息子がはじめた店は馴染みの汁よりちょっとしょっぱめ。そういう違いが楽しい。
それから移転した中古盤屋。窓の無い上の階に移ったけれど、変わらず清潔感ある誠実な店構えで嬉しいな。
んでもってタワー。新譜を買うぞと決めたものの、オルタナ上等!な音のバンドが目につくのはそういう流行りと店の人の好みかしら。単純に好きだけど今こういうのもなあ…と結局買ったのは新人バンドのアルバムだけど「spacemen 3のアウトテイクかよ!」って音・・・ついついといえども学習しろ。。。
そのあとは「シェアリング・バイブス」展を見た。山川冬樹さんの「Shibuya Water Witching」が特に面白かったなー。古地図を頼りに地下水脈を辿り、流れる水音を採取。管や勾配で音が変化するのが面白い。歩いているとここは昔川だったんだろうなって道が東京には結構ある。特に渋谷界隈は多い。ただ歩いているだけの足の下に隠れてしまった、蓋をされてしまった、水。ギャラリーの方が「蓋をした上に更に耳に蓋をして歩いている」と言っていたのが印象的。渋谷駅前も再開発でどんどん変わっていく。地形も成り立ちも上書きされて本来の道が見えなくなっていくけれど、そのうえを歩く人たちも見なくなっているんだよな。この展示ではその他に匂い・光を新たに提示していて、匂いは渋谷とは関係なかったけど自分の感覚を立ち上がらせてくれて面白かったし、代官山で撮られた光は美しかった。この企画、他の街でも展開出来るな、なんて。