GF*BF

六本木シネマートにて。この一見不思議なタイトルの原題は「女朋友。男朋友」と知ればナルホド。戒厳令下の1985年から2012年までの台湾を舞台に、男女3人が織り成す友情愛情を綴る物語。瑞々しさと痛みを併せ持つ彼らのこころの揺れに、民主化に至る台湾の情勢が重なっていく。

冒頭の女子高生の制服がすっごくかわいくって!あれは実際に使われているのかしら。ギンガムチェックと丸襟で・・・。そして玉蘭の花や水面といったモチーフの美しさと散りばめ方。そういった美的センスが素晴らしかった。そして髪をスパッと「刈る」あの神々しいまでの清々しさったら!
国へ向ける理想と諦めは、「誰か」へ向ける想いと等しくて。高校時代のキラキラとした日々があるからこそ、その後の3人のやるせなさが痛々しい。国が自由を獲得すれば、同時に国民も真の自由を獲得出来るのか。3人の生き方は台湾の変遷そのものを映し出す。そして未来へ進む次世代の子たちのキラキラした輝きに希望を託す、残酷の果ての優しいまなざしがあった。
あの頃の想いからずっと覚めないからこそ、かつての憧れと後悔が甘い郷愁となって、観客を魅了するのかもしれない。最後にはきちんと昇華してくれるしね。そういう部類のセンチメンタルさにちとノレなかったのが正直なところ。エドワード・ヤンのヒリヒリした切実な祈りとも異なり、後半は「描き方」よりも「メロドラマ的展開」が立ってしまった気がした。