6年ぶりの赤い提灯

6年前の岡山訪問時に夕ごはんをいただいた店は年配のご夫婦が2人で営んでおられ、カウンター席のみの狭い店内は客との会話が弾むいい雰囲気、献立の品々はとても美味しくて強く印象に残っていた。再びの岡山旅でもう一度味わいたくてさっそく初日に行ってみると、なんと電気が点いていなくひと気が無かった。ああ、たまたま休みなのかそれともまさか……と心配に。
それでもと、岡山での最終日に再度行ってみると、開いてた・・・!よかった!ガラガラっと引き戸を開けると既に常連さんがいっぱいで賑やか、ちょうど空いていた一番奥の席に座る。カウンター内には奥様と、ご主人は不在で、お孫さんの男の子がいた。彼は若いのに聞き上手で、常連さんとも対等に話をしていて、明らかに余所者なこちらに「どちらからいらしたんですか?」と声を掛けてくださったので、「GWで東京から来たんですが、実は6年前にも岡山に来ていて、そのときにこちらに寄らせていただいたんです。美味しくていいお店だったからまた来たいと思ってて。一昨日の旅の初日に来たら休みだったんですけど、今日もう一度チャレンジしたら開いててよかったです」と告げたら、彼は勿論、奥様も常連さんも吃驚して喜んでくださった。
「実は、主人が体調を崩してこのところ数ヶ月ずっと休みだったんですよ。で今日久しぶりに店、開けたんです」と奥様が言うので私も吃驚!常連さんが「突然休みになって、いつまで休みなのかわからない状態だったのに、今日いきなり前触れも無く、店開けたんですよ。そんな日に東京から来るなんて!」と笑う。お孫さんは大学生なのだけど、今日は手伝ってくれたそう。それなのにすっかり店に馴染んでいてすごいなー。長年店を営むおじいちゃんおばあちゃんをとても尊敬している様子が伺えて、なんて素敵なご家族なのだろうと感激。そんな気持ちが店内にあふれているんだな。久々の開店でも6年前の記憶と変わらぬ美味しさでお腹もイッパイ。
ああ、またこの店に来ることが出来て、ほんとうによかった。