新潟まちあるき

雑感として。文字ばかりですが。
新潟市を地図で見ると、日本海とのあいだに信濃川が横たわり、中洲のような土地が繁華街になっています。江戸時代は北前船の港として栄え、水運のための堀も完備されました。花街としても非常に栄え、「柳都(りゅうと)」と呼ばれていたそうで、柳の木が並ぶ堀のある光景が目に浮かびます。明治に入ると外国人が居住し、大正〜昭和初期は豪商や豪農たちが贅沢な家屋を建てるようになります。戦後の高度成長期以降になると、堀が埋め立てられ、信濃川新潟駅間にバス拠点と商業施設が出来、車社会化に伴った発展をしていきます。地形と歴史をたどると新潟という街が見えてきます。


【西大畑〜旭町界隈】
日本海沿いの砂丘にあるこの町は豪奢な近代建築が多数残り、外国人が居住していたからか、ちょっとモダンな雰囲気が今もあります。坂道も多くて起伏ある道なりに美しい家屋が並び、歩くのも楽しいです。坂を上がり高級住宅街から公園を抜けるといきなり日本海という立地にも驚きました。公園は防砂林なのでした。


【古町】
江戸時代から花街として大変な賑わいだったそう。以降、70年代までは華やかであったものの、駅周辺に新たな賑わいが生まれたことで、信濃川で分断された立地が逆効果となり、衰退の一途を辿るのは全国的によくある話なわけで。そんななか、2000年に入ると古い店舗を使って新しい動きが始まります。新潟にゆかりのある商品を集めたオシャレなセレクトショップがオープンしたのをキッカケに、空き店舗に若いオーナーが入るようになり、少しづつ活気を取り戻している様子。
→ 「【まちをつくる仕事】迫一成さん
→ 「絶滅寸前、新潟の伝統菓子を救え! デザインの力で後継者をみつけた「浮き星」の話
2つ目の記事は、この旅記録書いているときにツイッターのTLで偶然教えていただいたもの。

このような動きもありますが、自分の好きなものを突き詰めて長年に渡って営んでおられる店もあって、私の好みとピッタリあってとても素敵な時間を過ごすことができたのも、旅のいい思い出。また来てねと最後に声を掛けてくれたオジサンの笑顔が忘れられない。


【沼垂】
江戸時代から湊町として栄え、昭和初期から工場地帯として発展。戦後、埋め立てられた堀に市場が開設され、賑わっていましたが衰退。この街で生まれ育った方が活気を取り戻したいと、古くなった長屋を改装したショップを2010年にオープン。これをキッカケに店舗が増え、今では観光スポットに。集まってきた店舗の雰囲気にバラツキがあるのと、急速に注目されて行政の手が入ったニオイがあるのがちょっと、残念。
→ 「女性の視点を活かしたまちづくり
こんなキャッチの記事が書かれてしまうという・・・。


新潟のような歴史を持つ大きな街を今後どうしていくかは、昨今よく目にするまちづくり的なムーブメントのなかでも難しいのかもなあと思うところはあるけれど(角栄イズムを知らない世代が動かせるようになれば?)、結局はその土地の風土と人なのだよなあと、信濃川に架かる萬代橋を何度も渡り、歩きまわって出逢った風景を思い出しています。