live at que

力のこもったライブだった。終演後の鳴り止まないアンコール!すごい熱気だった。土台の上に執拗にヤマジギターが乗るのではなく、ヨシノさん在籍時に感じた「3つの鎖が絡み合う」のではなく、ひとつの大きな四角がどかっとあった。今はもう、旧知の面々ながらも新しいバンドとして乗り越えた強さがある。
いい意味でギターを感じさせなくなった。活動休止以後のあれやこれ、キュウさんのドカドカドラムの重厚感が印象的なqyb、フリーキーなpharmacy、そしてダモ鈴木さんバンドなどの活動で得た力がdipにプラスされたことが充分に感じられて嬉しくなる。
それを実感したのは「feu follet」、今回は映画を見ているようだった。(ルイ・マルではないデスヨ)「魂抜かれる」感は前回のシェルターのほうが強かったんだけど、今回は全体を通しての構成を味わった。風景があった。具体的なものが見えたのではなく、でもそれは曖昧にぼやけた骨子の無い状景ではなかった。インストなのに言葉が聞こえてくる。唄の存在が根底にあるんだなと思った。ここがdipの特質であり素晴らしい演奏だった対バンのte'への返答のようだった。
そして驚いたのは「スーパーラヴァーズインザサン」をやったこと!ヤマソロ→3rd収録のポップなGS調ナンバーで私としてはdipの好きな曲に上げないんだけど(すみません)印象深い曲ではある。これを久しぶりに演奏し、それもqueで、しかもナガタさんがいるのだよ。演奏後ヤマジさんも「昔はベース弾いてたよねえ」などと言ってたけど。この曲をよくライブで聴いてたのはqueだったよなあ、私がdipに幻滅したのもqueだったよなあ、それがどうですか、今じゃこの逞しい演奏ですよ!
これからの大阪名古屋東京ツアーでは更に充実した演奏が期待できそうダ。しばらくdipのライブなんて見てなかったけど新譜カッコいいじゃん!と思った人は「大阪:2008/2/10(日)・名古屋:2008/2/11(月)・東京:2008/2/17(日)」と全て日曜祝日ですので機会があれば是非どうぞ。今のdipはとてもいい。必見。

対バンのte'は前から気になっているバンドで今回初めて見たのだけどカッコよかった。ラスト2曲が好き。オットコなバンドだ。ギターのかたがdip大好きでヤマジがギターヒーローらしく、MCで何度も「呼んでくれてありがとうございます」と照れながら一生懸命にいっていたのがかわいらしく、ヨカッタねえ。。と母のように見守る気持ちになりましたよ・・・。