Stina Nordenstam/And She Closed Her Eyes

目が覚めて布団のなかでぽんやりしていると既に起きてカーテンを開けたY氏が「朝焼けがきれいだなあ」と言うので、むむむ見たい→イヤもうチョットぽんやりしよう→むう見たいぞと3秒の間に回転の鈍い頭のネジがギリギリ回り、からだがむくっと起き上がった。見たい、の勝ち。外を見ると暗がりが白ぼけてじわじわと青に傾きつつあり、目の高さのところ水平に流れる帯は昔どこかで食べた薔薇のシャーベットみたいな色だった。ぬくもりある色なのにひいやりしてる。頬をしゅるしゅると染める冷たい空気は音も無く澄んでいる。きれいだねえ、いい朝だねえと言って今日が始まった。おはよう。
光の帯を見たというのに駅へ向かう時刻の空には一面もこもこと綿のような雲が厚く覆われていたのだけど、もこもこの裂け目からやわらかくもくっきりとした光が見えた。結局雲の綿は目がどんどん詰まっていき寒い一日だった。

And She Closed Her Eyes

And She Closed Her Eyes

朝の冷たくも美しい空に繋がる音。