Spiritualized/shibuya duo

ああ。凄まじかった。ああ。カッコエカッタ…。
私のCD棚はおおまかに(私らしい適当さ)アルファベット順で並んでいて、一番上の段には特に好きなバンドを詰めている。そのなかのひとつがSpiritualized。昨年のサマソニには行かなかったので、久しぶりに見る。何年か前のクワトロ以来?


場内が暗くなりSEのぐるぐる頭上を徘徊する音にまず吸い込まれメンバー登場、サイケデリアな蠢きで暫く続くセッションに魂を持っていかれる。ああこれがスピだ、これが(もっと)聴きたかったのよ…。
ギターはjasonさんの他にもう一人のみ、ホーンセクションはなく黒人女性コーラス2人のパワフルな歌声が加わる。とんでもなく分厚いんだけど奇妙な浮遊感がある。強烈な爆音で左右からザクザクドスドス切り込む轟音ギターでメタメタにされたからだのなかからぽわあんと宙に浮かんでいくわたし、赤い闇の地下室を飛び出して、青い闇の街を擦り抜け、彼方彼方へ、いつのまにか辿り着いた白い闇の氷河を通り抜け、一気に黒い闇の宇宙の中へ。寒々とどこまでも広がりゆき果てがなくわたしはひとりぼっちで彷徨い溶けてゆく。
最新アルバムの音はやっぱり切なくて悲痛な感触で、でもjasonさんの唄声は逞しくクッキリと生命を刻み付けていた。おお、黄泉から帰還した男。
「walkin' with jesus」のアコギverはちと寂しかったのですが「cop shoot cop」の乾いた音の咽び合いに意識が遠くなり(個人的にはコーラスない編成のほうが好きだけどこの曲のときに「ああ声も"音"なのだなあ」ってその下にさらさらと広がるギターやキーボードの音が美しいなあってぼーっとした)
コーラス部隊が去ったラスト1曲「take me to other side*1」がもう!もう!もう!、イントロから鳥肌、ぎょぼーーーーーっと震え上がり、黒黒赤赤ウネリ錯乱し怒濤疾風狂おしい嵐の吹き荒れっぷりに身もココロもグルグルにぐちゃぐちゃにウオーーーーーっとワケ解らなくなりダイブした(ココロのなかで)!…感無量……。


会場と音があってないなあというところもあり、野外でトテツモナく高い夜空に向けてトテツモナくデカイ音を響かせて溶けたいなあと寒空の下、耳がホアホアしたまま帰宅したのであった。
ちなみにスピはコレがいちばん好きデス。
Pure Phase

*1:spacemen 3の「The Perfect Prescription」(オリジナルジャケの¥高過ぎ…)収録ですが個人的にはライブ盤の「Live in Europe 1989」を激オススメ!