画家の書棚にみる 昭和アート・ブック史


奥沢駅で下車、駅前ロータリーには噴水がありどことなく昭和なニオイがする。「宮本三郎記念美術館」へ。初めてきました。宮本三郎の遺族が世田谷区に作品を寄贈、アトリエがあった地に開かれた小さな美術館。誰もいない、、よ、、。
彼が装丁を担当した獅子文六大佛次郎などの小説や、表紙を担当した『主婦之友』などが展示されています。ガラスケースに入っているので上から眺めるだけではありますが、愛らしい描線やモダンなデザインで素敵。こういった書籍が雑貨アイテムのように珍重される昨今の風潮はいかがなものかと思いますが、こうやって目の前にすると(ガラス越したはいえ)手元に置いておきたい眺めていたいという気持ちはわかるのネー。
函から出すどきどき感と期待に満ちた緊張感があって。でなによりも壁に掲げられた油彩にうっとり。てっぷりとニクニクしいまあるい裸婦像はフォルムも構図も「マチスから影響受けてまっす!」であるけども、愛らしくってすき。肌の、薔薇色と水色と檸檬色の混ざり具合が美しくて吸い込まれそう。