Sonic Youth/The Eternal

ロキノン最新号のサーストン・ムーアインタビューを読んだ。
「今、音楽ビジネスが大きな転換期に直面していることについてどう捉えているか」との問いに対して、
「現状の素晴らしいところは、金が関係なくなってしまったところだと思う。音楽が金儲けをするのに最適な場所ではなくなってしまったわけだから、これから音楽をつくりたいという人はすごく献身的にならなくてはいけないし心からやりたいと思わなければならない。ロックミュージックはその原点を再発見しようとしているわけで、すごくいい状況だと思う。」というようなことを答えていた。

サーストンの"原点"といえば

New York Noise, Vol. 2

New York Noise, Vol. 2

NO WAVE!!! SYが不穏に空気を切り裂けば、Rhys Chathamがひたすらミニマルにギターノイズを轟かし、Glenn Brancaが渦を巻く。Arthur RussellとNicky Sianoが繰り出すDISCO DUBに体をくねらせ、Jim Jarmuschがkey.で参加したThe Del Byzantinesにひょこひょこ飛び跳ねる!
冷たく冴えているのに熱を帯びるこの感覚に今もドキドキさせられる。

で、ゲフィンを出てマタドールからこの新譜。

Eternal

Eternal

上述の言葉を裏付けるテンションに満ちていた。
キリキリとささくれ立ち、とろりと溶解する音色。繰り出されるギターの音色にはびくうぅっと素直に参ってしまう。新しい何か、ではないのに新しい。ああもうだめだ、この音が好きすぎる!(ペイブメントのひとがベースに入ったのにもビックリ)
このところ「蓄熱」な感じを受けていたけど今回はギアチェンジ、カッコ良さ凄まじさが「そのまま」溢れている。
こんな音なのに落ち着いた印象をも兼ね備えるのは、御歳50前後(!)の彼らを隠すこと無く反映している証だろう。
pitchfork:TV(←リンク)でのスタジオライブを見て痺れて泣くのだ!リーさんかっこいいいい!

「悪い状況」といいたくもなるような昨今を「すごくいい状況だ」といい、こんなアルバムつくっちゃうんだから、スゴいよなあ。これからもずっと彼らの活動を楽しみにしていきたい。