昨日の追記〜HMV渋谷3階に捧ぐ。

昨日のHMVのはなし、例によってダラダラ書いちゃって今更所々後悔していますが、にもかかわらずクドイけど、もいちど言っときたいのは、「90年代の渋谷系のころはよく行ってたよね」って過去形の店舗では決してないってことです。
確かに太田さんがいなくなって、移転して、何でもありの”健全な”「メガストア」になったかもしれないけど、ここ数年の3階(ロックにジャズにワールドがワンフロアにギュギュッと)は、とても嬉しくなるよな品揃えでした。
90年代とは違って、客がネットでいくらでも音源と情報を知り得て、最後に「買う場所は値段で決める」という状況下で、HMV渋谷というメガストアの店員さんが「これを勧めたい」という”良心と意志”を持って、仕事をされていたのです。けっして押し付けがましくなく。かの「太田さんコーナー」とは違うやり方で。

中央の新譜コーナーに並ぶ、ブラジル〜エレクトロニカ〜アルゼンチン音響派(及び中南米)〜SSWからノイズ、ブルックリン勢など…97年以降〜ゼロ年代の音楽シーンを踏まえた上での独自なセレクト。次々リリースされる新しいミュージシャンたちのデビュー盤が並ぶ合間に、「山ブラ」と称される穏やかな棚、「ボルヘスを殺せ」と称される刺激的な棚。

私はここが好きだった。メガストアとはいえ、個性豊かな個人商店のような棚作り。
だから、この辺りに食指が動かないひとにとっては「昔は良かった。今更なんとも思わない」だろうし、「シスコの閉店の方が哀しかった」だろうし、じゃあ「タワーレコード渋谷」や「レコファン」に行けばいいじゃん、なのだと思います。でも決してそんな言葉で切り捨てて欲しくありません。
語りたがってすみません。ただ、この一連の報道を見ると、そうじゃない!って言いたくなるキモチなのです。