ICCキッズ・プログラム 2010 「いったい何がきこえているんだろう」

ICC夏の恒例企画、今年は「『音』をテーマに,音と知覚の連動,音と空間や環境の関係性,ききとり方の変化など,各テーマに合わせたアート作品やデバイス」(公式サイトより引用)などが展示、というだけでワクワクせずにはいられないこのプログラム、ホンットたのしかった!

夏休みのこどもたちに混じって、音と遊び・音を発見しました。5つほどの展示の中から特に気に入った2つは、

《ドロー・サウンド》 筆を絵の具を付け、紙に絵を描くと、その下のpadが反応して「音」へと変換される装置。ペンタブレットTENORI-ONみたいなところでしょうか。「絵を描く」ことが「音を描く」ことになるこの喜び・楽しさったら!説明にカンディンスキークセナキスの名が出されていましたが、この試みが更に発展していくのかもしれないなあと思うと、嬉しくなってくる。

《ハーモノグラフ》 振り子運動の軌跡を描画することで、音の振動の調和である「和音を可視化」させる、19世紀に発明された装置。今回はこの和音をサイン波を使って更に聴こえるように改良してありました。仕組みとしてはシンプルだけど、ひたすらカッコイイ。ドローンがブイーンと静かに聴こえると同時に、小学生のころコンパスで遊んでつくったような同心円がぐるぐると造られていく様は「音を聴く」行為を再認識させてくれました。ウチに欲しい…。

動画がUPされていたので、こちらをご覧ください。

「テクノロジー」を使ったとしても、やっぱり面白いのは「単純」なもの。高い技術力を持ってして、そぎ落としていくことで出来上がるものは、ある意味人間に近づいているように思えます。
そしてここで紹介された作品の根底に流れているのは、横井軍平さんの思想と共通するんじゃないかなあと、興味深かったです。「自由度」があるというか、想像力の余白が残されている感じ…。横井さんの展示を見たあとでこの展示に出掛けて良かったなあ。