今年の雑感

HMV渋谷が閉店し、恵比寿ガーデンシネマが閉館するニュースには私をつくってきた「90年代的な物」が崩れていくことを実感しました。
景気は悪くなる一方で、ビジネス土壌では「文化」は消滅するしかないのですね。
歩けば、年を重ねてきた店も家も無くなって、リセットしたかのように新しく生まれるだけ。そこには根っこがあるのだろうか?

物の流通が劇的に変化し、それに沿って消えるものも生まれるものもある。本来は云々などと言ったところで年寄りの戯言だ。それでも私は街角の店に行って、店主さんの顔を見て、買うことが好きだ。映画館へ行って映画を観ることが好きだ。「大洋レコード」や「雨と休日」や「warszawa」や「Violet And Clare」、「ユーロスペース」や「イメージフォーラム」「神保町シアター」に「下高井戸シネマ」に「早稲田松竹」etc。この世界に数ある数多の音盤や映画の中からチョイスしてくれる「目利き」たるオーナー・スタッフの方々の「心意気が愛情」が見える感じられるここで私は、たくさん出会った。店の「空気」を介して、そのミュージシャンや監督が吸っている「空気」に出会った。

ビジネス上の論理や統計学だけで、わたしのちっぽけな世界が作られるなんて寂しすぎるんだ。