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話についていけるかなと思っていたけれど、Facebookに於けるインターネット云々な話ではなく、まっとうな「人間ドラマ」でした。冒頭から畳み掛けてくるスピード感は、実際瞬く間に「世界最大のSNS」となったFacebookの成長そのものなのだなあ。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
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パソコン通信が題材のこの作品を「ソーシャル・ネットワーク」を見た翌日に見るなんて、偶然のタイミングとはいえウマイ流れなワケですが(しかも年をまたいで)、双方の”違い”がとっても興味深かったです。
wikiの「パソコン通信」項によると『1994年頃から、世界規模の通信網であるインターネットへの一般個人からの接続環境が整備され始め、翌1995年のWindows 95の登場により、インターネット接続機能が標準で組み込まれ、接続の設定が容易になった』とのこと。
髪型や化粧に強烈な「90年代前半」を感じる本作の公開は1996年3月なので、ちょうどパソコン通信からインターネットへと移るころであり、脚本が書かれたのは1994末〜95年ごろでしょうか。
1995年開始のテレホーダイで、夜11時になってから接続し「ピーピー…ガーガー」と音を立てていたあの頃。スクリーンから聴こえてきたあの音が懐かしかった。今じゃ光ファイバーだもんねえ。通信速度がどんだけ違うんだっていう。
この差こそが2つの映画の「速度の差」なのでしょう。
スピーディーでゾクゾクするよな展開の「ソーシャル・ネットワーク」に比べると、「(ハル)」ののんびりした展開といったら!今の私たちは各自が持つ「ホーム」上での「1対不特定多数」の即時的なやり取りだけど、(ハル)と(ほし)の”電子メール”のやり取りは、文通みたい。”見えない”相手を行間から想像し、時間をかけて、真摯に向き合いながら言葉を交わし合う様は、自分の内面と向き合っているようでもある。
手紙とも違うし、携帯もないし、連絡手段やパーソナリティアピールも他にやりようがない。そんな「画面に文字だけの世界」で「見えない匿名の相手」との距離を置いた関係性だからこそ成り立つ物語なのだろう。90年代半ばの1,2年しかあり得ない話!
当時「新しいコミュニケーションの在り方」として描かれた世界はもはや「古き時代」なんだけど、「ソーシャル・ネットワーク」が2004年の話だから、たった10年ですよ、10年!
「インターネットの世界」がこんなに変貌するなんてねえ!そういや上映館のシネ・アミューズすら、今はもうないのだ。