【館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技】
お盆を過ぎ、残暑の候となってもまだまだ強烈な日差しが降り注ぐなか、東京都現代美術館へ。「特撮博物館」を見に出掛けました。まだ午前中なのに、最寄りの清澄白河駅からの道のりには同じく向かう人々がけっこういて、今までこの通りを歩くときにこんなに人を見かけたことないよなあってちょっと驚きました。
チケは既に購入済なので直接展示室へ。やはり人は多かったけど、ウンザリするほどではなく、むしろ「スゲー!」っていうワクワクさがまわりの人から感じられたから、嬉しくなりました。そんな雰囲気の中、鼻息荒くして見入りました。
携わってきた人たちの熱意と想像力、実行力のすばらしさったら!企画云々とか事情云々ではなく「こういうものをつくりたい!」という強い思いが原動力であり、試行錯誤して作り上げるその過程。時代の空気もあったことでしょう。「町工場の職人」に例えた方がいらっしゃったけれど、確かにそうだなあ。
そんな凄さに圧倒され影響された人たちの、先人への敬愛もまたすばらしい。これほどの展示、そしてあの巨神兵の映像を実現させてしまうのって、ほんとうにスゴイ。このまま時代の流れで消えてしまうのかもしれない「技」を、最良の形で伝えてくださっているなあと彼らの熱意にもまた、圧倒させられます。
長時間、タップリ見たけれど疲れなどなく、逆に爽快感さえありました。フツフツとしたマグマのようなものが時代を超えてやってきて、頭から浴びてお腹に入って、ぱああんと弾けた感じ。
会場を出ると濃厚な青の空にパキッと白い雲がモクモク浮かんでて、建ち並ぶ真新しい高層マンションのあいだからニョキッと怪獣が見えて、目を擦ってしまった。
【杉浦茂のとと?展】
そこから歩いて、道なりにハッピを着た方々とすれ違う。お祭りの日なのね。
森下文化センターへ到着、「杉浦茂のとと?展」開催中。入場無料で小さいながらも原画など見れて楽しいっ。原画キレイだなあと思いながら、描かれた表情や擬音にクスクスしてしまう。あいまあいまに「掛け軸」があるのもヨカ塩梅。それと彼を敬愛する漫画家さんたちによる色紙も、その人の色が出ていて楽しい。
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『漫画家・杉浦茂のキャラクター「ほしいも小僧」の別名を持つ、はっぴいえんど・鈴木茂のライブを中心に、杉浦茂を愛するアーティストたちがお届けするエンターテインメントの世界』ですって。
【田河水泡・のらくろ館】
館内には「のらくろ」の常設展もあって、これも楽しいっ。
大きなのらくろがお出迎え。
田河水泡の奥さんは小林秀雄の妹だったことに驚愕。MAVOにいたことも知らなかったよ…。のらくろは最近、復刻版を読んだばかりだったのでナイスタイミングでした。
のらくろ喫茶店 [カラー復刻版] (のらくろ 幸福(しあわせ)3部作)
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原画を見て改めて、白と黒のバランスがとても美しいことに気付かされます。
ホクホクと会場を出て、商店街を歩くと
こんなふうにのらくろがイッパイなのだ。
久しぶりに訪れた清澄白河は古本屋やギャラリーやカフェ、そして何しろ高層マンションが増えていて、急激に変わってきた。
少しづつ新たな街に生まれ変わる中で、敬意を持って伝承しようとする思いに触れることが出来て、大充実でありました。