川映画・橋映画〜白夜と5windows

金曜日、会社帰りにKINOHAUS(って呼び方はしないケド)、ユーロでブレッソンの「白夜」→オーディトリウムで瀬田なつきの「5 windows 」をハシゴ。川映画・橋映画つながりだった!そしてどちらも生活音の響きが印象的。

「白夜」は艶やかで、でもマットな質感があって、素敵だったなあ。パリの夜、街のあかり、ポンヌフの橋から見下ろすセーヌ川のゆらめき、観光船のきらめき…。女の子の黒いロングコートの裾が翻る様の愛らしさ、背中から腰のラインの艶かしさ…。ああ、ニュープリントの美しさ!
音がまた素晴らしくて、あらゆる生活音が息吹を持ったように存在し、パリの雑踏を歩くと聴こえてくるのは路上ミュージシャンのフォーキーな歌声や船上で唄うブラジリアン・ボッサなど、時折ハッとする響きを讃えていて、これらは主人公の男の”半径数センチ”な聴覚とイコールであり、箱庭な世界が強調されるようだった。
今回の上映に関して、こちらの記事を読んで驚いた!

15年前に留学先のパリで見た「白夜」が忘れられず、複数の権利者を探し当て契約にこぎつけた。2年前にも仏監督、ジャック・ロジエ(85)の作品の上映を個人で実現しており、「今後も普段見られない名作の配給を手がけたくて、一人で会社(エタンチェ)も作ったんです」。http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/121026/ent12102608040007-n1.htm


「5 windows」は、黄金町(http://d.hatena.ne.jp/mikk/20111007/p1)、吉祥寺(http://d.hatena.ne.jp/mikk/20120709/p1)を経て、渋谷で3たびの上映となります。「舞台となる横浜・黄金町で5本の短編を撮影し、そのうちの4本を屋外の4カ所で上映。そして最後の5話目を映画館で上映するという企画の元に作られた映画」です。今回も渋谷・円山町界隈で(!)屋外上映もされましたがそれには行けず、「屋外上映用のものすべてを映画館で見ることの出来るような約40分の作品として再編集」された映像を見ました。
4人の異なる物語はどこかで交差しながら、新たな風が吹いていました。夏の空だけど薄くてやわらかくて瑞々しい。黄金町を歩きながら出逢った断片、吉祥寺を歩きながら重なった断片、それらとガーゼのように織り合いながら。そして口づさむのは、あのメロディー。ふっとここではない何処かへ浮遊するあの感覚、鼻の奥がつんとするあの感覚、そしてリズム。瀬田なつき監督作品ならではのそうゆうところが、好きです。


散歩するように見たこの2つ。