「マイ・マザー」

今週の金曜日の夜は見たいのいくつかあって、どうしようかなと迷いつつ渋谷のアップリンクへ。
「わたしはロランス」は長時間のこともあり気持ちが付いていかず見ていないのだけど、「マイ・マザー」は1989年生まれのグザヴィエ・ドランによるなんと19歳で初監督・脚本・主演作!!!
とにかく鮮烈だった。ファッションや音楽との組み合わせに「イマドキだなー」って思い、ところどころのシーンに彼が蓄えてきた映画や美術の影響が伺えて、新しいけれど何処かクラシカルな響きも持っていた。そのバランスこそがイマドキなのだろな。しかしなんたる完成度・・・。母親との関係性を描いた題材は普遍的だけど、表現する匙加減ひとつでこうも違うのか。
とても豊かなのにサラッとシンプルなのがすごく好き。鋭くて激しい情熱が弾けつつも理知的で冷静的。若さ故の苛立ちをそのままに写しながら、母親や教師の目線をも獲得していて、恐ろし過ぎる。半自伝的なストーリーだというのに!