seventh code

この昨日は前からカレンダーに書いていた映画なのに、ヒドく疲れて見るのをやめてしまい、その作品の終了時間にはお風呂に入って寝てしまった。でも今日はすべてがうまくまわってくれた。まずは楽しみにしてる特集上映の回数券を買い今後の公開作チラシをいくつも貰ってから、靴をリペアに出し、それから本屋さんに置いてある新譜CDを買いにいって(最後の一枚だった!)、エビトマトカレーを食べた。移動して通りがかりに意外な店で好きなパン屋さんが出張販売してるから大好きなヨーグルトライを買って、良心的ですばらしいCDショップで何枚か買った後に、喫茶店で珈琲を飲みつつさっき貰った映画のチラシを見ては丸をして……なんて幸せ。

さて渋谷シネ・クイントのレイトショー。内容的にこれは即完売しちゃうだろなと早々にチケをおさえたけれど、やっぱりホントにそうだった。満席だけど前のひとの頭が重なることがなくて見やすかった。
黒沢清監督の作品は映画に造詣が深ければもっと楽しめるのかもと思うけれど、知性が過度に立つことはなく、画面はバシッと決まっているのに何処か抜けている。不穏な空気に軽妙で素っ頓狂な可笑しみが刺してきて、奇妙に変。今回もそういう映画だった。設定的にツッコミどころが満載で動揺したけれど、納得させられちゃう驚きがパコーンと飛び込んできて、おっもしろいなあ!映画はつくりもの、虚構の世界デショっていうのをしれっと楽しんでる。「リアル」では微妙なチープさ加減をB級テイストに転がらせてくれないチカラを感じたけれど、今回は自由にやってくれたまえ的な余裕があった。そうでなきゃ、出来ない。
おなじみカーテンのそよぎはこれまでになく華麗で美しく、トラックの荷台の上でひとり、のシーンがすごく好きだ。
前田さんはしなやかな体を活かしつつ、存在感を保ちながら消しているような不思議な感じ。黒めがちの瞳はこちらを見ているようで見ていない、もっと遠くの見えない何かを射抜いているような。表情のつくりかたにしても、「演じること」が出来る人なんだろうなあ。
アイドル歌手であり女優である立場をどう仕込んでいくか、新たなビジネスモデルとして「あらゆる面」からウマいなーと思わざるを得ない。トークショーで監督がおっしゃった「(先行してロシアの映画祭で上映したときに)彼女は唄もうたうのか!と驚かれた」という話に笑ってしまった。がほんとうに残念なのが肝心のその唄で、なんであんなよくある歌謡ロックなんだろう。もっと彼女の鼻にかかった唄声とすっくとした佇まいにあう、長年唄われる楽曲を提供してあげて欲しい……。
このプロジェクトは今後も続くと思うけれど、瀬田なつき監督によるポップでキュートなミュージカル映画を是非!本気で!お願いしたいです。