神奈川芸術大学映像学科研究室

すんごく面白くって興奮!2月7日までの期間限定上映なので取り急ぎここに記します。

ちらとタイトルを見かけて時期的に卒制の上映会?……やややそんな大学無いよなと思い返す。気になりつつもレイトで21時からかーと躊躇していた。昨日は会社帰りに阿佐ヶ谷ラピュタへ向かったところ、ロビーにこの映画のポスターが貼ってあり、ああそうだ今上映中なのだなあ。気になる。「若い季節」を見終わってまだ8時半前。新宿着いて45分、あ、武蔵野館なら駅からすぐだ!上映時間を調べたら70分、そんなに遅くならないし、えーい見ちゃえ!と駆け込んで当日料金を払った。

という流れを経て見て本当に良かった!あらすじや紹介文など読んでなかったんだけど、「東京藝大大学院映像研究科映画専攻の修了作品」なのね。監督86年生まれだって・・・(震)タイトル通り「大学の映像学科」が舞台だけど面白いのは、「学生が主人公の青春もの」じゃ無いところ。研究室の助手が主人公という目の付け所がスゴいなあ。
演出は簡潔端的に登場人物の内面や場の空気を表していて、且つ「余白」を残してあり、語らなくても伝わってくる。脚本はよく練られていてウマい!別段「映像学科生の内輪ネタ」な狭い世界の話ではなくて実に普遍的、働いている人ならば誰でも共感するのではないだろうか。
つうかも、教授と生徒の間に挟まれた、いわば中間管理職の哀愁がこれでもかと盛り込んであり、心の中で泣きながら笑ってしまった。そう、その「笑い」の部分が素直に笑えるのだなあ。恐らくは客観的な視点で描かれているから、だろう。
役者陣も素晴らしく、助手に教授に学生と、全てのキャスティングがバッチリで各人物像にハマってた。助手3人のそれぞれの性格と表情佇まいにズレが無い。特に「桐島、」のたけしゃんの起用なんてもう、ズルい!芸大行って今じゃ助手やってるよ、たけしゃん……。名言に痺れるぜ!音楽はオーソドックス且つ洗練されていて、概ねいい案配で良かったケド、蓮沼執太っぽい「以後」な感じだなあと思ったりもした。
ともかく自主映画にありがちな「しょっぱさ」「安っぽさ」(失礼ですみません)がまるでなく、スキが無いくらいに完成度高くって、コレが卒制なのかー。。。今は機材にも恵まれてるというのもあるのかな。画が奇麗だった。

新宿駅すぐの武蔵野館という場所も見に行きやすいし、場的に開かれていて好都合なのではなかろうか。日々理不尽な仕事に憤懣やるかたないヒトが見てスカッと晴れ晴れにはならないだろうけど、(泣きながら)楽しかったーと思うはず。
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