highとliquid

8/30(土)KOENJI HIGH

当初の2/15が大雪のため、振替公演。記憶が遥か彼方の一面の銀世界。新譜出たの4月だからリリース前だったのか。そのときだったらどうだったんだろと考えちゃうほど、今日はぐっと迫るものが薄かったんだ、なあ。。。音の輪郭がぼやけて聴こえ、自分の中のスイッチが入らなくて幾分もどかしいステージだった。ところがトリのLOOPUSのアンコールでPLASTICZOOMSのボーカルの方と共にヤマジさんがギターで登場、nirvanaの「rape me」そしてbeatlesの「tomorrow never knows」!!!漸くヤマジさんも肩の力が抜けたように楽しそうに演奏していたし、UKPからの1stが大好きな私にとっては夢の選曲で、かなり興奮した。。。いつかdipでも「here she comes now」とともにやってほしいナア。

9/3(水)LIQUIDROOM

リキッドルームが恵比寿に移転して10年だそうです。その企画で「ART-SCHOOLTHE NOVEMBERS」と対バンという、”わかってらっしゃる”ライブ。dipでリキッドというとどちらかといえば新宿で、個人的にはドリームマシンが旋回する2ndのときを思い起こします。

周りがとにかくdip以外の若いファンに囲まれて、どうもすみません状態。そしたらまさかの1番手!トリは無さげな気がして2番かね、、と思ってたんですケド、どうやら「待ち時間長くて眠くなるから」そうなったとかなんとか?それでこそ、ね。
1曲目は「it's late」で このあいだよりはいいけど、まだちょっと弱いかな・・と入り込めず。2曲目「hasty」イントロの瞬間、観客の反応が高い!おおお。
そして「neurotic mole」 冒頭の音触がまだ弱い気がしてむむむ・・・と思いきや、後半畳み掛けてキタよキタよー!鈍く重い空にテラテラと光を反射させながら、深く沈み込み雪崩れ込んで広がる様は、なんとも魅惑的で魔法がかっていた。
「木下くんにカバーしてもらった曲で」と始まったのは「no man break」。これまでと音が違った!クリーンでピカピカなの。生き生きしてるの!dipで生き生きって!って!(←すみません)そしてやっぱりポップなのに泣けてくるんだ・・・よ・・・
間髪入れずにまさかの「nerve A-10」!この曲のひゅんひゅん超高速で駆け抜けてく様、その軌道はたまらなくって、胸に突き刺さってくる。金田ビームの残像のような。こんなキリッキリのギター弾きながらなんで唄えるんだろか。二人羽織してたりするのだろうか(←ふざけてすみません)
それから「fly by wire」この曲も盛り上がるなー!この流れはメチャクチャハマる! 最後は炸裂・・・!時間あったらここ延々と10数分やってほしかった。
そしたらですよ、「blue bus」のあのイントロが……!ぎゃあああ!って思ったら「garden」が始まった。。。いや、いんですよこの曲も好きだし・・・ 。
トドメは「my sleep stays over you」!最近よくやってくれて嬉しいッ。この間とは凄みが違った。挟まれる新たなギターフレーズが艶やかでクリアでタフで、これ聴けただけでもう大満足。そして複雑に混線した音なのに、混迷はしていない。万華鏡のようにクルクル廻りながらきちっと導線と行き先が確実にあって、目が覚めた。
今日の選曲は場にあった流れで、いつも通りに淡々と演奏しつつ*1、先輩としての提示とさりげないサービス精神が感じられた。
振り返ると1番手で良かった。dipが90年代に出した音がゼロ年代art-school、そしてTHE NOVEMBERSに繋がり、その影響の熱により、dipが新世界を踏み出せたのだと体感した。だからdipが与えただけではないということ。それが素晴らしい。


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ラリーズがSEで驚きつつの、THE NOVEMBERSを見るのは去年のUKFC以来。1曲目が「human flow」のカバー!dipの後にこれをあてるとは、なんて粋な選曲なんでしょか!以前トリビュートライブで見たときよりも格段に素晴らしくて聴きほれた。あのときも素晴らしかったけれど、もう完全に彼らの楽曲になってた。80年代の空気をまとっている原曲を咀嚼して今を生きる彼らの意志を感じた。その後の何曲かは甘くロマンティックでメロディアス。その後MCを挟んでの新曲以降のノイジイっぷりがカッコヨカッタなあ。曲終わっても場内息を呑んでしまい物音無く静かだったのも印象的。でやっぱり全体的に諸々dipからの影響がバシバシ感じられたのは、贔屓目かしら。「love to sleep」 の頃を思い起こすんだ、なあ。ただ真面目で器用だなあと思っちゃうのは、私がとうに歳を取ってしまったからなのだろう。しかし今を生きる彼らが表現したいのは消費された負の感覚ではなく、ひねくれ上等でもなく、真摯さから生まれるものだと思う。これからが益々楽しみです。


対してart-schoolは云うならば「time acid no cry air」でしょうか。オルタナポップ!何年も前に対バンで見たキリかと思うけど、ドラムとベースが囲んでる音が随分とガッチリ太くなった気がする。間合いとか。ああゆうのってイマドキっぽい。そこに不安定で細いボーカルが乗っかるのがある意味絶妙でした。会場はサビで片手挙がるような盛り上がりで、なんかキラキラしてて良いなあ。


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3バンドを見て、それぞれの世代を想った。もちろん各自の性格もあるけれど、捉え方や表出方法は時代の雰囲気の影響を受けやすいものだ。ファンの服装ひとつとっても、時代が表れる。ライブはタコツボなメンツになりがちだけど、こういう対バン、とても興味深く楽しかったです。

*1:dipは昔から表情や体で「弾いてますノッテます」気分を表すことはしないし、そこが好きだ。