今年の音甘映画館 【音編】

● Momo-Sei / umareta
ヨシノモモコさんとPLAYMATESの山本さんによるこのアルバムは、ただただ曲が良い!聴いていてとても気持ちよくって、からだのなかからハッと動き出す。そんなシンプルなことが今なんて珍しいことか。そしておふたりともわたしたちと変わらない日々の生活があって、そのなかで音楽を生み出し外へ発信することが無理なく出来るようになったのは、今だからこそと思う。そういう点で今年のアルバムに掲げたいのです。
http://momo-sei.tumblr.com/1st_album_umareta


OGRE YOU ASSHOLE / ペーパークラフト

発売当時の感想はこちら → http://d.hatena.ne.jp/mikk/20141106/p1
音が明確で、存在感があるのに希薄さを感じる。そんな稀有なバランス感覚がある。メンバー”それぞれ”が自分の言葉で言語化出来ていて、音に着実に反映されているなあって思う。そこには日本のバンドにありがちな、ボーカルが主軸の自意識過剰且つ薄っぺらな上昇志向が無く、逞しい。


坂本慎太郎 / ナマで踊ろう

ナマで踊ろう(初回盤)

ナマで踊ろう(初回盤)

オウガと共に挙げるのもナーと思いつつ。ふわふわとしてるのにねっとりとしてズドンと重い、くふくふ笑いながらぞっとする。2014年の日本だからこそ生まれた音楽。


この他には、石橋英子さんの音や活動に同性としても強く心を押してもらいました。

car and freezer

car and freezer


この一年はピンと来る音が少なくてうろたえるほどだった。
煽り文句が定型化して導く式も簡素で答えがすぐわかる音よりも、自分にとって鮮烈な、よくわからないけれど新しい音が聴きたい。自分が今どういう音を欲しているのか、どういう見つけ方をすればいいのかを模索しながら今年が終わります。テン年代前半の空気を吸って生まれた音に期待しながら。


【追記】音楽が日常に当たり前にあって、影響を受けて真似するのではなく、咀嚼して呼吸して、今の自分に落としこんで表現している(オウガの出戸くん曰く「いいと思ったときの気持ちを再現できるかどうか*1」)ミュージシャンの音にぐっと心惹かれます。
それと2014年の音楽シーンにかかせない出来事は「Red Bull Music Academy」! 「2014年に日本で開催された意義」が来年以降にも引き継がれていくことを願っています。それにしてもあの界隈のエンタメ化には驚愕し、考えさせられました。