「庭園植物記」東京都庭園美術館(11月6日まで)


赤坂見附から南北線で白金台へ。
朝香宮邸であったここは建物だけでも、ほんとうに素敵。
植物をモチーフにしたレリーフが屋敷内にいくつもあるから
ちょうどこの展覧会とあっていて、企画者に拍手したい。



植物の研究のために描かれた植物画。
といってもたくさんの人のがあって、中でも
牧野富太郎の異常なくらいに細密で、その眼力と筆の力に驚かされるし、
南方熊楠はキノコを描いているのだけど
どこかかわいらしい様があって、英語のつづりの入り方も
妙にうまいというか、いいバランスで。


そして現代、それそのままを映し出すことは
写真にとって変わられ、次第に写真もただ撮るだけではない
表現の場になって。


東松照明マジックマッシュルーム」は
実際にそのクスリを服用して見た幻影を
作品にして起こしているとのことで、
尋常でない、キテレツな世界があった。


石元泰博の「花」は、モノクロ作品。
毛羽たつ茎の毛も見えるほど間近で捉えているのだけど
静謐でストイックな美しさがあって、見とれてしまう。


荒木経惟作品は、小さな部屋に入ったら、花花花
壁床天井全てにびっしりと敷き詰められていた。
カラフルというよりは極彩色、
雄しべ雌しべを中心に据えて撮られ、
やっぱりエロい、エロチック。
先の石元泰博作品にも雄しべ雌しべを捉えたものあったけど、
エロいとは思わなかったのだけども。


山崎博「櫻花図」は桜をモノクロで
ぼんやりとにじむ陰を残して撮っていて
桜と言えばの当たり前の姿とはまったく違っていて、
新たな驚きの美しさ。
対して鈴木理策吉野桜」はまさに思い描く「桜」
キラキラとした春の陽光のなかで輝く、
桜の薄いピンクと空の青さが眩しい。


最後に蜷川実花
床が市松模様の部屋いっぱいに展示してあって、
フィルムでみせてるから、天気のいい日中ならば
光が差し込んで鮮やかさが広がって
とても美しい、と係りのひとが教えてくれた。
今日は夕方薄暗く、残念。。。
彼女の作品は鮮やかで生き生きとしつつ、
毒を持っていてやっぱり魅力的。


モチーフとしてはお馴染みの植物だけど
同じ植物、花、を捉えるとしても
これだけの幅があって、とても興味深かった。
非常に良い展覧会だった。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/botanical/index.html


帰りは目黒駅まで歩いたのだけど
駅前変わったねえー、アトレできてて。
一時期目黒駅ちょくちょく利用した覚えがあるのだけど
それはあくまでも目黒美術館*1に行くためであって
鹿鳴館に行くためではない、けっして。。。ええ。

*1:イームズ展も行きたい