ロスコと菖蒲とオッサン酒場

マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展

雨がさらさら降ったり止んだりの日、千葉県佐倉市に行ってきました。印旛沼を見に…ではなく川村美術館へロスコ展を見るためです。この美術館では改装前/後のロスコルームも、1995年に行なわれた回顧展も見ているけれど、今回の展示には今までとは異なる重要さが記されているのです。

このたびの展覧会では、50年以上にわたって散逸したままだった〈シーグラム壁画〉の半数となる15点が初めて一堂に会し、あらたなロスコ空間を創り上げます。

京成電車に乗って佐倉駅着、直通バスに乗って計2時間半、ちょっとした旅気分で辿り着いた美術館は緑に囲まれたすばらしいロケーション。一番緑が濃いこの時期、しかも今日は雨混じり、吸い込む空気が瑞々しく気持ちよい。

入り口前の湖のほとりにて。


館内の一番奥へ足を踏み入れるとすっと空気が変わります。ぐるりと部屋一帯を染めたロスコの作品から感じる印象はこれまでのものとは違っていました。今までは「ロスコ色が体内に入って地面に穏やかに沈んでいった」けれど、今回は「ロスコ色が浮かぶ天へと引き上げられる」よう。
もともとレストランで飾られることが前提であり、その印象は天井が高く光は白く明るい部屋に、四方から包まれるように配置され、絵が高い位置に掲げられていることが大きいのかな。
ロスコのこの頃の絵には夜の海のように重く身動きできないような得体のしれないものを感じていたのだけど、けっしてそれだけではないという新たな一面を切り出している。見せ方でこうも変わるんだ!
ここに川村美術館の意気込みを感じるけれど、サブタイトルに「瞑想」とあるのはちょっと違うんじゃないかなあ。これまでのイメージが「瞑想」だとしたら、今回は「開放」というような意味合いじゃないかしら?
ロスコの意向に沿ったこの展示はこれまでの印象を覆していて、戸惑いもあったのは確か。ネガティブで意味ありげなものに惹かれてしまうとはいえ、光を感じ明るいほうに手を伸ばすことを素直にしたいなとこころに留めたい。

空間全体でひとつの作品ではあるけれど、その15点のなかで特に好きなものは、窓枠のような四角が溶けかかっているどよんと暗い色合いの絵。(あ、言ってるそばから…)あのぼやぼやとした輪郭に吸い込まれていく。昔はその枠がハッキリとしているものが特に好きだったし、水色と黄色の2色使いのも好きだった。ちょっとづつ変わるものだなあ。
この部屋の奥にもうひとつ、黒い部屋がありました。白い壁面でさっきよりもぐっと狭い空間を取り囲む四角い「漆黒」は行き着いてしまった人の絵だった。黒の奥から浮かび上がる色を感じても、出る言葉がなく、ぽくっと息が零れ落ちてきたのでした。最晩年の作品は「黒と灰色」、ぼわっと粗く塗られた灰色にこころがざわめく。この絵、好きだ。医者には制作を止められていたけど描いた絵、描かずにいられなかった絵。

堀切菖蒲園

佐倉から再び京成電車に乗って東京へ。路線図を見て思い立ち、途中下車して「堀切菖蒲園」に立ち寄りました。

最寄り駅はズバリ「堀切菖蒲園」、スーパーと商店とこじんまりとした街。オモチャ屋さんの前にはこんなロボットが…。

更に進むと住宅街、

元下宿?丸窓と屋根の下の瓦の装飾が素敵。
さて菖蒲園に着きました。
菖蒲、ちょうどいい時期なのでは?という予想通り、見事な咲きっぷり!雨が止んでしっとりと濡れた菖蒲は色っぽい。


紫〜青からピンクや黄色のものもあり、こんな色もあるんだなあ、きれいだなあとうっとり。ひとつひとつの品種名が素敵で、妙に日本酒を思い起こす名前があれば、ん?と二度見する名前までいろいろ。(メモっとけばヨカッター…!)

コレは思わず撮ってしまった名前、「子持熊」…? 花はまだ咲いていなかったのが残念。こんな名前付けたくなる花っていったい…。

「遊女の姿」、その名前に納得の妖艶な立ち姿。
ここ、すぐお隣が高速道路なのですね、すごい絵図だわ…。

さっきまでロスコが魂注いで作り上げた色を見ていたのだけど、ここにあるのは自然が作り出した色、勿論新種を作り上げるかたの魂が込められていて、色に酔うのでした。


さてここからいつもの如く歩きます。すると公園にこんなこが…!

ぎゃーなーにーこーれー!!

なんでパンダがこんな色に、しかも「シェー!」してるよ?狂ってる!!!

その衝撃も冷めないなか、今度はこんなこが!

こけし外灯。なんでこけしー??

オッサンのテーマパーク

辿り着いたのは立石、酒呑オッサンの天国です。


この地には久しぶりに来たけれど、Y氏の落ち着きの無さったらヤバい人になってます。まずはおでんで一息ついて、次いでモツ焼き屋、ここはホントにモツしかなくて「モツが苦手&お酒も呑めない」私にはすることがなく、陽気な酔っぱらいさんに囲まれ会話を盗み聴きするのが楽しい場でありました、が眠くなってしまったヨ。。。その後は餃子、肉自体に味がついてて美味しかったー!水餃子のが好きだ。


呑み屋街だけに猫の街でもあります。

歩けば猫ねこネコ、ワシャーっと群れる箇所もあり。

「なんかクレー!」と首を突っ込んでいる猫氏。


こんなにたくさん楽しんでも帰宅したのはまだ19時半、早!