信州の秋ちいさな秋

先日、長野県の上田〜松本〜諏訪市へ出掛けました。その記録を少し。

東京駅から新幹線で1時間半ほどで上田駅。駅舎の温泉口からほど近くに千曲川がありました。
土手に上がると…

わー!この景色!わくわくと緑を駆け下りる。

風がさあっと吹いてきて頬に当たる。深呼吸。赤い橋ゲタがかわいい。

河原の向こうへ進むと

水面はキラキラと輝き、低い山並みが広がり、吹く風はなんともここちよく涼しい。

水の流れる音に耳がさやさやと澄む。赤い橋に列車がガタゴトと走る。いいところだなあ。
川がある街が好きだ。この水のある風景は、ここで暮らす人々のこころにいつもあるのだろうな。そしてこの街へやってきたひとのこころに刻まれることだろう。


川の反対側が正面口で、ゆるやかな道なりには商店が続いています。うろうろと歩きます。


古い商家(紙屋って!)をリノベーションした喫茶・雑貨店がありました。エントランスが素敵でした。道沿いの元々商店の入口だったところは封鎖していて、庭にお邪魔するように奥の通路を入っていくのです。2000年以降に急激に増えた流行りの店舗形態ではあるけれど、狭苦しくなくモダンな印象も加えられ、居心地が良かったです。


山が見えるこの通りは旧北国街道の街並みを生かしています。


夕焼けのオレンジの美しさ。

松本へ


次の朝。夕焼けがあんなにきれいだったのに、雨が降って来ました。
山々は徐々に赤や橙に染まりつつあり、雨に濡れながらしっとりとした色合いを放っていました。

松本といえばやはり

紅葉の赤く濃厚な様に目が覚める。

ちょうどいい頃にやってきたなあ。

お散歩しましょう。

お医者さん。和風と洋風が合体してる。

教会。こっくりとした黄緑の屋根がかわいらしい。

カフェと洋服屋さん。クラシカルなこの建物のつくりはとても素晴らしい。窓枠や雨樋など細かなところまで美しく施されていて、しばしウットリ。元薬局だったそうで、店内にもその残り香がありました。

昔、煙草屋さんだった建物をつかった器屋さん。ここを営む木工作家さんは今ではかなり有名になってしまわれて…。

飴屋さんの屋根の上に、蛙!

蔵も多く残っています。蔵はやっぱり日本の風景によく似合う。

この界隈は看板建築を残した老舗店が並ぶ商店街だけど、新たに飲食店やアパレル店が出来て変わりつつある雰囲気。


トタン屋根にタイヤ!

女鳥羽川を渡って、郊外へと歩いてみることにしました。

旅行で訪れた街でも、住宅街を歩くのは楽しい。その街の人々の暮らしが垣間見れるから。表札の苗字見て「◯◯さんが多いなあ」なんて思ったり。

ブルーベリーと林檎!

団地の隣に野球場が。
更に進むといきなり温泉街になりました。住宅街と地続きなのでびっくり。松本のベッドタウンとしての地域がどんどん広がって、遂にくっついちゃった感じなのかなあ。

立ち寄り湯があったので、おじゃましましたヨ。のんびりいいお湯だった〜。以前は旅館だったところなのか、かなり立派な造りだし、とてもきれいでした。

下諏訪へ


諏訪といえば諏訪大社

なんだけど、改築工事をしてて幕が貼られていたのね。。。

龍から湯気が!さすが温泉の街です。

わー、素敵な建物ねえ。

ポストや看板も!

こちらは「塩羊羹」で有名な和菓子屋さん。立派な佇まい。

食材なんでも屋さん、木のばんじゅうがかわいらしい。
下諏訪は江戸時代は旧中山道の宿場町として、明治に入ると絹などの繊維産業が栄えたちいさな街。最近、コダワリのある個性的な店がいくつか生まれていて、ありがちなほっこり路線ではない「唯一」の店ばかりなのが、この街に暮らす人々の気質なのかな。この日は市場が開催されていて、通常営業のお店が少なくちょっと残念ではありましたが。

こちらは洋裁屋さん。ほかにもスピーカー工房とか…。
そして今回の目的地、「サイケデリックな秘密の部屋」は不思議な穏やかさ(フツフツと渦を内に巻きながら)があって、とても嬉しい出逢いでした。若いオンナノコがここへ来て、店主さんとお話して風変わりな音盤を購入していく姿にはココロがほわほわしました。

あれこれるるる




長野のちいさな秋を見つけた、ちいさな旅でした。