ルビー・スパークス

今年の映画締め。Y氏と行くことになったので何を見ようかと内容と上映場所等含めて選んだのがコレ。「小説に描いた理想の女の子が現実に現れた」という設定、その主人公を演じるポール・ダノのボンクラメガネ姿を見たら、まあ我が家のボンクラメガネさんを連れて行きたくなるワケですよ。
カラフルでガーリーな世界たっぷりと思いきや、なかなかビターでクラっときました。場内が明るくなった瞬間、顔を見合わせたY氏が「…ごめんなさいねえ…」と決まり悪そうにしてるので、笑ってしまった。そしてエンドロールで脚本がルビー役のゾエ・カザンと知って、「あー、確かにこれは女の子目線の話だねえ…合点がいくわ…」と言っていた。容赦ない辛辣さがそう思わせるのかもしれない。
相手(誰か)に自分の理想(都合)を押し付けてしまうのは男女関係なくあって、その辺のイタさにキュッとした。恋に悩む若い子が見たらタイヘンな気もするしピンとこないかもしれないし、倦怠期なカップルが見たら…大丈夫だろうか…。なんつて。
そんでもってポール・ダノとゾエ・カザンはパートナー同士だそうでまたビックリ。この話を受け入れて互いに演じてしまうなんて、ポール・ダノは素敵な彼だわあ…。監督のデイトン&ファリスも夫婦なのねえ。
見る前は主人公は「小説家志望」と思っていたんだけどそうではなく、いわゆるセレブな世界だったのでヒョエーっと仰け反った! その辺はゾエ・カザンの血筋のせいなのかしら…。豪華な家に住んでたり(実家も)な設定が逆に荒んだ感じが出なくて、だからこそな空虚さが出ていいのかなー。がらんとした広い家をうまく使って、主人公の心のうちが現れたショットが多くて良かった。
引きこもりなトコやタイプライターが物語の回収に功を奏しているけど、足りないところも多くてちと残念。そこが気になっちゃうヒトはまるでノレないと思う。私としては、ポール・ダノの、白Tシャツにシャツをさらーっと羽織ったボンクラメガネ姿(あくまでも知性と清潔さが重要)が堪能出来て、このヒトこんなに素敵だったかしら…とドキドキしました、うふふふー。