キャンディ・マウンテン 

先月末にオーディトリウムの<ビートニク映画祭>で見ました。35mmフィルムのざらついた映像が回りだした冒頭、「製作:1987年 配給:ケイブル・ホーグ、提供:オン・サンデーズ」ってクレジットだけでぐっとくる。しかも当時上映したのライズだったのね!ああ、今はもう「失ってしまった時代」の映画なのだ。
ジョー・ストラマーがギターを弾いてる隣でアート・リンゼイが棒でガシンガシンと叩きまくってる光景に震える・・・!トム・ウエイツもいい味だったし、ビュル・オジェも素敵だったなあ。
失踪したギター作りの名手を探し求めて(という設定自体奇妙だ)、旅をし出逢うロード・ムービー。淡々とコトが進んでいく。金と野心のために旅へ出た若き主人公が路上でハッキリとした答えを「発見」したわけでもなく、目的も何かも失った果てに何を掴んだのだろう。「旅することは自由とは違う」という台詞が印象的。真の「解放」にはまだ至らずに、それでもまた「路上に出る」しかない。かといって徒労と空回りを超えた清々しく柔らかな光を感じる。続けるしか無いのだ。あ!それって「l faut continuer.」じゃんか!