ムーン・ライティング

上映とっくに終わった頃に感想を。ちょっと書いては止め書いては止めで、今更になってしまった。
シネマート新宿の大スクリーンでイエジー・スコリモフスキ特集。「ムーンライティング」、スッゴクスッゴク面白かったー!!!なんなんだこの映画。粗筋にしたら一言で済むのに「何をどう語るか」ってだけで、これほどに面白くてオソロシクテ切ない映画になるんだなあ!サスペンスな展開に盛り込む、顔芸も音も相変わらず素晴らしい。
表面上は中間管理職はツラいヨだけど、祖国であるポーランドに起きた情勢を反映させている構造が凄い。たった6日間で撮影したのだそう。
冒頭から緊迫感が張りつめ不穏さが漂うなか、ピタゴラスイッチのようにパタパタと転がっていく様を止めることは出来ない。80年代初頭にポーランドからロンドンにやってきて、スーパーマーケットに溢れる豊富な品揃えにぽわーんとしてる光景が象徴的。日常のほんの一片が大きなウネリに繋がっていく。次々にやってくるトラブルを自分で何とかしようとごまかしを繰り返していたら後戻りできず追い込まれていく様にゾッとする。

DVD化するのでたくさんの人に見て欲しいなあ!