ジェラシー

金曜日ということで映画を見るつもりだったけれど、気力足らず。
できょう記すのはちょっと前に見た映画をさらっと。
フィリップ・ガレルの新作はもう見なくていいかな…と思っていたけれど、今作は「ちょっと違う」という言葉を目にしたのと77分という短い上映時間に惹かれて(という理由もなんですが)。イメージフォーラムにて。
話自体はいつも通りなのに語り口が軽やかで驚いた。ちいさな娘が緩衝剤となっていて、彼女のはにかんだ笑顔がとても愛らしい。まなざしのやさしさは柔らかい光に包まれた映像に表れていて、どのショットもとても美しかった。モノクロでも黒き影よりも白き光の印象がある。
記憶となったヒリヒリとした痛みのかさぶたをひっぺがさず、思い起こしながら懐かしく穏やかな気持ちに漂い浸っていたくなる。取り憑かれていた死は生に取り込まれただただ続いていくのだということ。
音楽がテレフォンのジャン=ルイ・オベールで!すーごく良かったなあ。やっぱりガレルは耳の良い人だ。