「ショーイング・アップ」

先日「ファースト・カウ」に大感激の私にmapplecat-eveさんが教えてくださったのが「ショーイング・アップ」で、全然知らないので調べたら

ケリー・ライカート、待望の最新作(中略)美術学校で教鞭を取る彫刻家のリジー(M・ウィリアムズ)は、間近に控えた個展に向けて地下のアトリエで日々、作品の制作に取り組んでいる。創作に集中したいのにままならないリジーの日常が、チャーミングな隣人や学校の自由な生徒たちとの関係と共に繊細に、時にユーモラスに描かれていく。
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このあらすじにシンパシー過ぎて震える・・・しかも今特別上映中じゃんか!数少ない上映時間、ちょうど日曜日、タイミング合う!!



https://www.imdb.com/title/tt13923216/


・・・とてもよかった。
OPはイーサン・ローズ! ぽあぽあした電子音に重なるのは壁に貼られた人物クロッキー、さらりとした描線が素敵でこれだけで既に震えてるのに、美術学校や制作風景、個展前・・・学生時代を思い出し、焦燥感不安感嫉妬苛立ち、不意におとづれる開放感、20代前半の強烈なモラトリアムを抱えたあの頃の私とシンクロし過ぎてどうにかなってしまいそうだった。


飛べない鳩を、壊れる兄を、どうしても放って置けない。それってね。光、空、日々の風景のささやかな美しさを瞼に蓄え、映画として表出し、人物設定と心情の描き方も巧みで、経過とラストの描き方に生活と制作が地続きなライカートのまなざしと人柄を感じる。damon&naomiなどがセレクトされた音楽センスにもシンパシーありすぎるんだけど、不思議と本編中鳴ってた印象ないんだよな・・・
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ジーは彫刻家といっても、粘土で制作した塑像に色を付けて窯で焼く陶彫家だ。焼きの具合も計算に入れる必要があるし、割れる可能性もあるから(映画中、猫が壊さないか心配だった)からオソロシイ世界だなとも思えた。リジーの作品にイーサン・ローズのこのジャケを思い出したんだけど

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こちらはBoyd richardによるイラストレーション。映画の方はポートランド出身の作家 CYNTHIA LAHTIによるもので、違う方だった。共通したこの色使いや線はポートランドの空気がそうさせるのかな。リジーの父親は陶芸家でアトリエに陳列された食器にパドラーズコーヒーで扱っているポートランドの食器を思い起こした。


ラストシーンの空気は、季節が変わったことに気づいたときのような、あ、という感覚があって、今もそれを思い起こしている。


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