1月の終わり、2月の初め

今年もよろしくお願いします。と書いた感覚がもはや彼方。1ヶ月早いなあ・・・


1月の自分にビックリしたのは映画を5本も観に行ったことだ。
①ファースト・カウ ②パーフェクト・デイズ ③ショーイング・アップ ④彼方のうた ⑤僕らの世界が交わるまで
この本数だけで去年の数超えてるんじゃなかろうか。
元々この「音甘映画館」は観た映画の記録をつけようかなと始めたのがキッカケで、昔は毎週末映画館に行き2本立やハシゴもしてたというのに、年々億劫になってしまった。それは日々仕事で数多の"ノンフィクション"を目にするようになり、疲弊し、フィクションでもこれ以上「誰かの物語」を頭に入れる余裕が失せたことが大きい。それと体力&耐力が消失して2時間持たなくなったし、会社帰りや夜なんてもう、絶対無理。外的要因としては上映スケジュールが毎週刻々と変わることが当たり前になり、スケジュールを組みにくいし考えることが面倒になったことも大きいし、この数年で週末に新宿や渋谷へ行くことも、ましてや有楽町銀座方面なんてわざわざ行くことが難儀にもなった。なのに、昨年ならばスルーしてたであろう「ファースト・カウ」を何故か観に行く気になり、素晴らしい作品で「映画をスクリーンで観ることの素晴らしさ」をシンプルに感じた。そのことが嬉しい。2023年2月の初めにまた何本も観たいと思う作品があるし、でもスケジュール立てに頭が混乱してきてるのでもっとも息切れしそうだけど。




1月4日 会社に向かう電車もガラガラ。頑張らないようにすることを頑張りたい。と思いつつ出社したものの、会社に行くとスイッチが入り、1年で1番仕事量の多い日でバンバン依頼される業務をこなし、電話が鳴ったら速攻で取り(だからまた仕事が増える)、話しかけられれば笑顔で応答し・・・執務室出た途端にフラフラであった。



1月5日 省力化を目指し、紅白で見たYOSHIKIさんを見習って普段は「囁き女将」モードでアホな依頼が来たら「紅」モードで激しく応酬するくらいの"メリハリ"で仕事しようと誓う朝。→ 結局 "終始"「紅」モードで対応してしまった。疲れた。囁きトーク術を身に付けたい…… というか、うちの会社は電話で対応依頼(と言う名の押し付け)&対応拒否されるオールドスタイルなんですが、電話鳴るとすぐ取っちゃうんだよな、パブロフの犬か。



1月6日 ケリー・ライカート監督作「ファースト・カウ」素晴らしかった……。映画見るのも心身のタイミングが必要で、年末に一気に枯れ果て空っぽだからか、観たい気持ちと実際の行動が結びつき、観た作品の吸収が出来たのは久々。



1月7日 風が冷たい日。美容院でサッパリと。帰りは喫茶店寄りつつ歩く。お飾りも点在するけど、もう正月気分は無いな。今年は凧揚げ見なかった。/ ねぽりんのアフィリエイターの会、5分で書いたブログで大金ゲット!なんて信じられないし(そもそも5分じゃ書けない・・・)、ブログが金稼ぎや自己啓発の場になってることが悲しい私は今年で20年継続して書いてるんですよ、、、好きなことと愚痴ばかりを、、、



1月8日 世田谷文学館「衣裳は語るー 映画衣裳デザイナー 柳生悦子の仕事」小さいスペースながらもぎゅっと素敵が詰まってた。
www.setabun.or.jp

なんとも品があって愛らしく美しい。画面の中で調和しつつもスッと線が通っている細やかさがスケッチから伺えた。もっとたくさんの資料で重層的に語られてほしいな。会場で「君も出世ができる」の"アメリカでは"のシーンが上映されていて、久々に見たけど心踊る素晴らしさ。魔法のよう。今歌って踊れる俳優さん多いから、こんなミュージカル映画が制作されてほしい!

カレーや喫茶店など、馴染みの店へ出掛け今年のご挨拶できたことも嬉しかった。

片手袋採取。



1月9日 朝は普通に出社するけど仕事してるとアレーって感じで微妙な怠さが出てくる。怠いというかぼーっとしちゃうからイカイカンと電話したり調べたりする。同僚が気を遣ってしばらく毎日時間休取ったら?と言ってくれて申し訳ないんだけど、確かにそれがいいかなあ・・・



1月10日 スープジャー、パッキン無のタイガーに替えたけど大きくて重いのでつらくなり、サーモスに戻った。やはりサーモス◎。保温性も高い。

さあ!アフォリますよ(嘘



1月11日 医者に行った後、映画「パーフェクト・デイズ」を見た。製作経緯と出演CMがよぎりながらの序盤、主人公の"オジサン"を取り巻く"若者の男女"の描き方にモヤモヤしてたけど、木漏れ日のざわめきが心に響き、ルー・リード流れるシーンの美しさに泣いた。それだけでもう満足。その後も心をひどく動かされるシーンがあり、ありがとうヴェンダースというきもちでいっぱい。



1月12日 やはり日中はぼーっとしてしまう。気持ちの問題かねえ・・・とはいえ1日仕事して帰りに馴染みの店でご飯食べる日常が戻ってきて嬉しい。/小沢健二さんは若い頃の自分がいた場所から逃れられないのかな、ネットの音楽ニュースで知る話題がつらい。



1月13日 朝は晴れて外へ出ると温かく、今夜ホントに雪降るの?散歩したいなと思いつつ既に予約済みの映画館へ入り、鑑賞後外に出たら雨降って寒くて驚いた。そして雪になった。/ ポレポレ東中野、何年ぶりだろうか。「彼方のうた」を見た。説明しない映画ならば「ファーストカウ」や「パーフェクトデイズ」の、静かで豊かで強靭な映像に圧倒されたばかりなので、部が悪いというか、風景を眺めて孤を見つめることが無い世界線。こういう画を撮りたい、が先のストーリーに感じる。



1月14日 「ファースト・カウ」に感激してたら、教えていただいた「ショーイング・アップ」ちょうど特別公開してる!と慌てて観に行った。満席だけど私の好きな席位置で観れた。美術学校に勤務しながら作家として個展を控えた主人公を描く、それだけでもう泣いてしまうし、描き方がとても良い。

有楽町に来たのは何年ぶりだろう?駅周辺も小綺麗になってあの果物屋も無いし、映画館がマルイの上というのも未だに慣れない。

向かいの有楽町ビルも新有楽町ビルも閉鎖されまもなく解体される。なんとも美しい姿なのにね。かなしい。

帝国劇場も建替。きっと超高層の多目的ビルになることだろう。皇居前の、空が広い低層の街並み好きなのにな。

地下鉄で違う街の広い公園へ。

映画と地続きのような感覚に陥る。しばし歩いてから気になってた喫茶店で飲んだ紅茶と焼き菓子の美味しさ。クッキーを買って家へ帰る。よい1日だったなあ。



1月15日 夜おなか空いたーと思ってガーッと食べたら気持ち悪い・・・



1月16日 赤裸々な話を敢えて書き留めるけど、体調よりも気持ち的な部分で会社を休んでしまった。今までならば「会社に行かなきゃ」と思ったのに、思えなくなってしまった。気になっていたハーブティ屋さんへ行ってみると、20代後半の若い女性が「ハーブティをもっと知って欲しくて始めたんです」と話してくれて、「コーヒー屋はやたら増えてますけど、ハーブティーのほうがその日の自分にあったものを飲めて絶対いいのにと私も思ってたんです!」と伝えて、しばしハーブ談義。トゥルシーティーブレンド、とても美味しくて体に染み渡り、彼女のにこやかなで前向きな話で元気な気持ちが私にも出てきた。/ 中目のギャラリーでドナータ・ヴェンダース 「KOMOREBI DREAMS」を観てから、汐留パナソニック美術館で「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」を観る。
panasonic.co.jp
図面の美しさはサイン含めてデザインされており、思えば私はこの人を建築士というよりはクーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラスなどデザイン面で知った気がする。MOMAでグラスも買ったんだった。嬉しかったのは土浦亀城がタリヤセンで撮影した写真。残念なのは場内の狭さで、図面などに見惚れたくても難しいこと。/ 汐留のビル風で耳カバーが飛んでいった・・・



1月17日 今日は普通に仕事出来た。「ストップ・メイキング・センス 4Kレストア」の予告編がサイコーでうきうきした。
youtu.be
「クリーニング店に置きっぱだったスーツを取りに来て、自転車で帰る」ってのがもう、泣ける。

映画『ストップ・メイキング・センス4Kレストア』公式サイト

アメリカン・ユートピア」のエンディング思い出しつつ、こういうセンスが素敵。



1月18日 昼休み、同僚が「趣味を持った方がいいっていうんだけど、どうすればいいのかわからない」といっていて、衝撃を受けた気持ちを隠して「そうだよねえ、難しいよね」と返した。「趣味」とは一般的にどのように捉えられているのか。私は子供の頃から好きなことのために生きてきたけれど、それは「趣味」といえるものなのか。帰宅後Y氏に話すと「何を趣味とするかは自分で決めることじゃない?」「ある程度持続してやってて自分が楽しければそれが趣味でいいんじゃない?」と名言出た。音楽を聴く、散歩をする、と考えたところで音甘映画館書くことも入れてもいいかも、なんて。



1月19日 会社休み。漢方内科へ行き、久々に営業日とタイミングがあった近くの喫茶店で紅茶。初台に移動してオペラシティギャラリーガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
www.operacity.jp
特に情報を入れずに(イントロダクションすら)行ったので、会場で驚かさることばかり。ガラス作家が画家に"描きたいガラス器"を尋ねて制作し、それをモチーフにして描かれた静物画とアトリエでの写真を中心にした、思考に満ちた美しい展示。場内を何周もした。「ワイングラス」と言っても想像した形は人それぞれであることにもハッとしたし、ガラスコップの用途の違いも興味深く、冷たい印象のガラスだけど制作時は途轍もなく熱いとか、それはコミュニケーションにも通じていて、示唆に富んでいた。
プロジェクトの紆余曲折を綴ったエッセイもとても面白い。山野さんが"最後の晩餐"に描かれたグラスを見て"五百年以上も経つのに、こうやってここにガラス食器の存在が残っているってすごいなと感心"したことがこの企画のキッカケのひとつで、ガラス器の静物画というと学生の課題やセザンヌ作品などを想起するけれど「これでは自立しないなど"嘘のガラス食器"が絵画の中では成立してしまう」「(当時の時代背景を含めて)過去からの手紙を受け取ったようでうれしくなる」という発言も発見があった。そして、"絵画に描かれた生活用品としてのガラス器は割れずに残る"けれど、"会場のガラス器は作品であり手に取れない存在"なことも興味深かった。
bluesheep.jp
bluesheep.theshop.jp



1月20日 雨予報で寒い。夕方虎ノ門へ。漸く最終完了した虎ノ門ヒルズ駅から直結の複合施設ビル内、週末の昼間なのに官公庁・ビジネス街に若者が集まり飲食してる光景を見るなんて。さすが森ビル様……。ようやく再開発できてよかったね(棒読み)若い頃働いた(ブラックなシコリがある)この街の脳内地図と違いすぎて、雨の寒空を彷徨い、元JTビルへ。モモさん企画の「Rock, Talk, Smoke….Drunk? Vol.61」ゲスト:ヤマジカズヒデ近藤智洋。この手のお楽しみ企画に何らか書けなくなってしまった・・・。純粋に良い曲なのはわかるけど、年齢差が如実に出るというか・・・モモさんの先輩扱いはマジで中間管理職の鏡・・・
www.rittor-music.co.jp
それはそうと、こばやしくんはヤマジさんから宣伝費貰って良いレベルだよね・・・



1月21日 昼に近所の定食屋へ行っただけでずっと家にいた。(と書いただけなので後日付け足そうとしたけど思い出せない)



1月22日 特に書くことないな・・・



1月23日 会社では強い口調で話してしまうくらいにはなった。これをあまり続けないようにしたい・・・結局家に帰ったらドッと疲れた。その上父から電話で精神的疲弊過多。しかしその中に少しでも希望的要素を掴んで明日へ続けるのである。



1月24日 会社で「⚫︎⚫︎さんと『どうする?」』って言ってたんだけど」と切り出してきたこと、結果的に「私がやるよ!」と引き受けてしまったの巻。こういうことになるから・・・



1月25日 結局元に戻るというか、会社ではテンション高く過ごしてしまい、帰宅中にドッと疲れが襲ってきて、家でグッタリしてる状態をどうにかやめたい・・・



1月26日 何年振りかで会社新年会(忘年会予定が繰越で)。プライベートを話さなきゃいけないことがつらい。そしてズレた会話や甲高く大きな声が耳に突き刺さることがつらい。更に私は「いつも元気なムードメーカー」と思われていると知る。みんな私の帰路のトボトボ歩きや帰宅後の喋りたくないピリピリさを知らない。キャラ変したい・・・。



1月27日 新宿ユニオンレコードの人の多さにウッとなって、いつものビル6階へ。やはりホーム感あり。/ 元)角川シネマのキノシネマにて「僕らの世界が交わるまで」良い映画なんだけど、私の心の奥にスッと入って震えなかったかな。



1月28日 朝の地震で、秋に京都の三宅八幡宮で購入した神鳩様が落ちて尻尾が折れてしまった。身代わりになっていただいてありがとうございます、、、(あとY氏のガンダムも、、、)



1月29日 ヨシキ様を見習った囁き女将声で電話出たら、「どうしたんですか?!風邪引いたんですか?」と言われるなど……(プチ紅モードはあり とりあえず出社してしまうと私の中のマザーテレサが対応しちゃうからやっぱり良くない。(でも発言は過激派)それと私の中の刑事犬カールがミスを見つけて吠えちゃうのも良くない。こうやって敢えてスルーされて後々発覚されるんでしょうね、日本企業の闇…



1月30日 昨日はロディ・フレイムの誕生日、還暦ですって!赤のちゃんちゃんこ
てなこと書いてたら、デペッシュ・モード「A Broken Frame」エコー&ザ・バニーメン「Porcupine」の等の美しいジャケット写真を撮影したBrian Griffinが亡くなったと知る。気軽に音を聴けない頃はやっぱりジャケットが導入部として重要で、既にたくさん出てるアルバムのどれから聞こうと思ったときにジャケの好みで選んで聴いて、音も良くって!ほかのアルバムも聴き進めていくってことを繰り返してたなって思い返している。(ポーキュパインは漫画が導入口だから・・・)写真展で見てみたいな・・・
www.briangriffin.co.uk



1月31日 機嫌良く周囲と接することは社会に生きる人として大切なことで、それさえできていれば基本的な面で"皆んなが"気持ちよく過ごせる。だからどんなに人と話したくないなという朝であっても、会社行けば明るく振る舞い仕事をこなす。でもやっぱりそこには自分への負荷があるんだよなー。。。行きたくないと思いながら会社行くとなんで元気に明るくしゃべりまくり仕事する人に変貌してしまうのか自分でも謎……



2月1日 今日は「笑い男事件」の日、だそうで。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」放送開始は2002年。あの頃、2024年に何を期待していたのだろうか?
thelaughingman2024.jp
あのマーク、「脚本を担当した佐藤大さんのパソコンに貼られていたポール・ニコルソンさんデザインのステッカー(補足注:Aphex Twinのアレ)を見た神山健治さんが、笑い男のデザインを依頼したという経緯」知らなかったよー。(今更・・・)
kai-you.net




2月2日 「パーフェクト・デイズ」お金の掛け方を否定的に捉えると泥沼で、そんな視点のジャッジは回避したい。だから「(最近ピンと来なかったヴェンダースの)映像の隙間から滲み出る美しさ(が嬉しかった)」し、でも「こんなふうに生きていけたなら」ってキャッチコピーの「淡々と同じことを繰り返す日々の素晴らしさって売り方は嫌だ(し、それを再発見してる風潮も嫌)」と思っていたところ、某さんの「こういう普通の日々をハレにしちゃいけないんですよ」って言葉に、納得。



今年もここに私のいつもの日々を記録していきたい。ただの、記録として。