筑波海軍航空隊記念館と地下戦闘指揮所


駅からようようと30分ほど歩いただろうか、周囲が野原になった頃にあらわれる建物はフラットで、晩秋の乾いた色と相まって映画の「エレファント」などで見たアメリカのハイスクールを思い出したのだった。かつて日本空軍の司令部庁舎があったこの敷地が、現在は精神科病院であるってのはちょっとどうなの。。。



さてここからまた更に歩き、いったいここは何処・・・と不安になるような茂みの奥に

あれ?あの小山に

ドアが・・・
これは、先の司令部庁舎が爆撃で使えなくなったときのために、密かに造られた地下要塞なのです。ヘルメットをかぶり懐中電灯を照らして中へ。



薄暗いダンジョンはまさに迷宮。


内部には6部屋あり、探り当てるように入る。ドーム型で狭い。


通信室。

何度もぐるぐる中を回って、外界へ戻る。

こんなところに土盛りをしてまで急造されたとしても、もはや絶望的な状況だろうに。周囲は畑があり、民家があり、よくある田舎の片隅で、まさかこんな戦争遺跡があるなんて。勿論当時は人里離れたなんにもない野っ原だろう。しかし戦後に住宅地として暮らしの場になったことで、日常と戦争は地続きで背中合わせなのだと思わせられる。そして長い間蓋をされたままの「穴」に陽の目があたった意義が今ここにある。