ラブ&マーシー

ブライアン・ウィルソン公認の自伝的ドラマであり、ジョン・キューザックポール・ダノが二人一役で演じることに、とても楽しみにしていました。初日にいったところ、年齢層高めの場内はイッパイでしたヨ。
期待通りにとてもよかった。冒頭の、ブライアン・ウィルソンジョン・キューザックver.)の頭に鳴っている音の渦に飛び込んでるかのような響きにゾクッとし、それだけでもう、持ってかれた。それに監修が萩原健太さんとの表記に、間違えない!と。細やかに描かれたレコーディングシーン(ペット・サウンズ!)にはわあああ!とトキメいて、震えて、たまらんかったよー。まさに今、作られているんだっていう瑞々しさがあった。
頭に鳴る音楽を表現したいという純粋さが次第に偏執的になり苦しめられてく、”天才”たるなんとも言い難い哀しさが滲み出ていて、ポール・ダノジョン・キューザックも素晴らしかった。それぞれにその歳で抱えていたモノが浮かんでいる、あの表情!!
ストーリー的には自伝故に一方向の視点になってしまうし、映画の題材として愛による救済とでもいう描き方になってしまう部分はあるけれど、彼がつくる曲に宿っている魔法を改めて痛感・・・。そしてアメリカが持つ光と闇ってヤツがたっぷり身にしみたのでありました。