イカとクジラ

The Squid and the Whale


そもそもこの映画が気になったのは『製作:ウェス・アンダーソン』で
『監督/脚本:「ライフ・アクアティック」で脚本を手掛けたノア・バームバック*1』であり、更には『音楽にLUNAのディーンさんとその彼女*2ブリッタ・フィリップス』という布陣だからです。サントラはすでにウチにあるくらいで。
そして『80年代アメリカの、両親が作家という「知的な家庭」における家庭崩壊を描く』というストーリーがまたたまらない!そんな設定がうまく生きたお話でした。
ひとつひとつのエピソードや会話が「鼻に掛かった」「知的さ」によって引き起こされる笑いとイヤーな感じとせつなさに満ちていて。
この作品、監督の半自伝的映画ということだけど、30代後半のオトコノコのほうが、ウッとくる映画かもしれません*3
(以下ネタばれ含みでごめんなさい)
父親の「知的な教え」にひっぱられてしまう兄。親の影響というものは気づかないまま自分に蓄積されてしまう。良くも悪くも。そのまま「見えない呪縛」と「刷り込み」で年齢だけが歳をとったらオソロシイ。。(と自省も込めて。)
でも今回の顛末を経て「イカとクジラ」を「自分の目で」見て感じたことにより彼の今後が見えてくるような、じわりとすっとするような作品でありました。
「尊敬する存在」であったハズなのに→「どうしようもなくダメダメ」じゃないか!しかししかし今後改めて、たくさんの書物や映画を「自分の位置に降り立って」本当にちゃんと読み見ることにより今までとは違う尊敬の念が生まれるのではないかと。
それにしても弟が!ああ彼どんな道を歩むのだろう。彼の行動にはもう笑い泣きでした。目がヤバイ。
時代背景が見えるのもこの手の映画の面白さだけど、テレビの存在があんまり感じられなかったのは「知的階級」だからでしょうか。

*1:しかもジェニファー・ジェイソン・リーのだんなさん!

*2:でありLUNA解散に至る原因かもしれない>ということを思うと、ギャラクシー500のときのディーンさんの悲哀が感じられて泣きそうになるよ。。

*3:少なくともY氏はそうみたいだ。