北千住から赤羽を行く

カレンダーをべりりと剥がすと、上の金具が重く感じられてぶらぶらとこころもとなくぶら下がるのは2枚だけになってしまった。


ちょっと前に荒川の河原を歩きました。金八ロケ地巡りじゃないですよ。(今日はエマちゃんちょこっとした出なくて残念だわー。派手な黄色いカーデガンなのにどこか寂しげなあの子・・・)
北千住で下車、ここもすっかり新しい街にという雰囲気だけど川のほうへ向かう商店街を進むと

  よいしょ。
土手へ出て西へ進む。この日はとにかくいい天気で川べりを歩くことがなんともここちよかった。私が生まれ育った街は東西に川が流れていて、だからだろうか「川のある場所」はとても落ち着く風景だ。
 
高速に沿って、もうすぐ開業の舎人線のレールが。この川を渡る風景、気持ちよさそう!

川の向こうに高速が高い位置で走ってて、団地がいっぱいあったり工場があったりスクロールして流れる風景が次から次へと楽しくて、トコトコ歩き続けた。
地図で見てわかったけど7キロも歩いたのか・・。環七に出てさすがに疲れてきたのでバスに乗って赤羽へ。

駅の向こうにある赤羽台団地は昭和30年代に建てられた「the 公団」な巨大団地。
老朽化が進んで半分は建替えられて真新しく、半分はまだ健在。数少なくなったスターハウスもあるよ。

公団の片隅には猫は必須。そーれが何故か皆目付きが険しい!ヤンキー猫。


駅前にはやっぱり変な銅像。ここは七福神が並んでたよ。

大きなスーパーの向こうには商店街があり、こんなふうに昔のままの建物も多いんだけど(ロゴがなんて愛らしい!)ここで暮らす人々がちゃあんと息づいていて活気に溢れてた。なんとなく高円寺を思い出したんだけど。
この向こうに飲み屋街が。実はここからが主目的のY氏ソワソワ。
おでん種屋さんの店先は立ち飲みスペースになってて、ここでおでんを食べる。お店のお兄さんがしゃきっとしてて気持ちよくって、おでんもめちゃくちゃおいしくって!幸せ。
土曜のまだ明るいころだったのに、呑んでるひとの多いこと多いこと。オッサン天国だねえ。

 
商店街は名前を変えまだまだ続く。昔のまんまの昭和な佇まいが残る店が並んでるのに寂しい感じはなくって、どこもまだ生きている。そこが不思議。
おもちゃ屋さんもいくつもあった。あれだけ大きな公団が出来たのだから子供たちもいっぱいいたわけで、さぞかし賑わっていただろうな。とかく今、商店街に残ってるおもちゃ屋さんは「レアモノデッドストック」な按配であるけれど赤羽はどの店も今の小中学生がイッパイいた。子供たちの社交場に今もなっててビックリした。
団地が建替えられたり周辺の土地も含めて、新たに人々が新しい生活をしている地域なのだなあ。古い店の跡にチェーン店など増えてきているとはいえ、「俺たちの街」という感じがした。
暗くなった空模様のなかでこの街にいると、テレビで見かける「昭和30年代」の街に来てしまったように思えてくる。猫がにゃーと鳴いている。

うちへ帰って何気なく「孤独のグルメ」を読み返したら「赤羽の鰻丼」て話があって「あの店の光景をほんとうに夢だったように思うかもしれない」と井之頭ゴローがひとりごちていたけど、まさにそんな後味がある。
そういえばで思い出したんだけど、南北線が開通した当時、終点である「赤羽岩淵」まで乗りに来たんだった。JR赤羽駅から徒歩10分も離れている、道路沿いのナゾな立地の駅。駅降りたらなんにもない車道で「ここ何処・・」という記憶を思い出したけど、まだあのころの記憶のままのそっけなさだった。