僕らのミライへ逆回転

ゴンドリさんにジャック・ブラックじゃあトゥー・マッチ、柄物に柄物、ギンガムチェックにペイズリーを合わせるみたいなもんじゃい!と思ってたけど、とっても楽しかった!これまでの作品〜PVから「恋愛睡眠のすすめ」+「tokyo!」〜のエキスをまとめあげたような、結局のところゴンドリさんそのものな映画でした。
ドタバタな前半を経てハートウォーミングな後半には胸が熱くなり、涙がぽろぽろと零れ落ちました。
陥りがちな「ボク、クリエイター。自分だけの世界に住んでるの」な部分が今回の舞台そのものを「ひとつの世界/ボク(ら)のユートピア」にすることで、ゴンドリさんの分身である2人(シャイなボクとウザイボク)が作り出した映画が「この世界の住人」に愛を持って受け入れられ広がって行く。それは「他の世界」からの侵略を防ぐツールとして機能していて、だから「この世界」を信じる人々のココロにじゅっとくるのだなあ。
彼らしさでもあるいかにもな「アナクロ手作り感」はわざとらしくもあるけれど、「このURLで"Sweded"が見られるヨ!」というハイテクなイマドキ感も気が利いてるし、ビデオを借りなくても見ることが出来ちゃうんだよねえ。街というものが消滅しつつあるなかでネット上に「僕らの街」があるようにも思えます。そんな入れ子現象/逆転現象?みたいなのが面白い。

んでもってこの映画に描かれた世界をいちばん信じていないのが、日本の配給会社なんだなあというのがつくづく嫌になる次第でありました。