この頃の夕方の、ブルーグレーにぼわんとしたピンクが滲んでる空が寂しくて美しい。
朝出掛けるときに一枚薄めのジャケットを羽織る、公園を通りかかると落ち葉が顔に当たる、こうやって秋が深まっていくのだなあ。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2009/11/28
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"らしからぬ"?お行儀が良くて端正な内容にゆったりとしていたらラスト、ようやくアサイヤスらしさが表れ、なおかつ新しいアサイヤスの視線がそこにあったのです。
「冷たい水」を思い出さずにいられなかった*1けれど、そこには若さ故の痛みは無く、柔らかい光が降り注ぐなか若い世代へ繋いでいこうとする希望に満ちあふれていて、素晴らしかった。歴史の重みを押し付けがましくなく心に留めさせてくれた上で、ひょいっと乗り越えてしまう姿が瑞々しく眩しい。鳥のざわめきに包まれる庭のサウンドスケープも心地よかった。
こんな余韻、アサイヤス作品で初めて!帰り道、いい気分でした。