8月のお散歩と日々のあれこれ


7月後半の体調不良から回復してきたと思ったら、仕事が忙しくなって慌ただしく8月が終わった。ふと空を見上げればうろこ状の雲が浮かんでいたり、窓を開けると風が涼しかったり、季節の移ろいを感じる今日この頃。


増補新版 黄昏国

増補新版 黄昏国

8月2日。昼休み、近くの本屋へ寄ったら新刊コーナーに銀色夏生の初期作品が再発されていた。思わず手に取り、ページを開いたら、実家の自室がぶわっと蘇ってきて身震い。う、わー。「月刊カドカワ」や「peewee」(というかepic sony)に毒されていたイタイケなあの頃の私がちんまりとそこにいたのです。



8月5日。久しぶりに映画を見て、あの店にさよならしてトボトボ帰る道のりは、とっても夏休みな気分だった。最後の珈琲は苦かった。


SOME SMALL GIFTS

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8月6日。ふっと吹いた息は不穏で冷たさに満ちていたけれど、それはある時期のオンナノコならではのものだろう。次にコクトーツインズをY氏がかけたので、その次にlushをかけた。ギターの細やかな波動に蝉の鳴き声がかぶさる。


所用で南町田に来たけれど、改札前にどーんと広がる商業施設に仰け反る。ここはアウトレットを軸につくられた街なのだ。しかし全く興味ないのでスルースルー。ファッションや雑貨店、飲食店はもちろんのこと、向こうにはシネコンも見える。ここで一日過ごすことが出来るのだろうな。私には無理だ。目に映る店全てがチェーン店で、ポチッとあつらえたようなこの風景には形はあるけど何も見えなかった。



8月7日。恵比寿のタコ公園、一時閉鎖されてたけど装いも新たに復活!タコもいる!



8月12日の朝。


8月13日。世間はお盆。山手線に乗ると「夏休み中の家族」をよく見かけた。実家は自営業で忙しくこんなふうに家族で夏のおでかけなんてしたことがないから、ちょっとしたカルチャーショックを感じてしまう。家庭ごとに「夏の過ごし方」があるのだよねえ。当たり前ながら。

で汐留の鉄道歴史展示室へ。「日本の観光黎明期〜山へ!海へ!鉄道で〜」という内容で、明治から昭和初期にかけての、鉄道各社による観光PRポスターなどが展示されていた。グラフィックがとても愛らしく素敵なものばかりで、小規模ながらもワクワクしっぱなしだった。
http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html


8月14日。ユニオンのアウトレット棚という名の過剰在庫から、気になったCDを500円で購入。聴きながら寝転んだ。

Superhuman Heart

Superhuman Heart

全然知らないミュージシャンだったけど、むうんと蒸した空気に風がさらりと吹く夏の夜のひとときによく合う、なかなか良いアルバムで嬉しかった。懐かしく甘い気怠さが涼しさとともにやってくる。終わらない夏休みの夢を見ている気分。月が明るい夜だった。


8月16日。渋谷109の一階で地味に営業を続けていた印鑑屋さんが閉店していた。ファッションビルやオフィスビル、地下街などに行くと、”昭和な”衣料品店が営業してたりする。周囲になじまないままのそれらは元々の地権者なのだろう、四角く区切られた店内には大量の商品に埋もれるようにぽつんと座るだけの、年老いた店主がいる。今後のこの10年20年、街角がますます変わっていくだろうなと思わされた。



8月20日日本橋〜神田辺りを歩いた。看板建築はまだまだ健在。


8月27日。曇りの朝は涼しくて、夏が終わるねえとピローズ&プレイヤーズを聴いた。
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くぐもったイギリスの夏の海。行ったことないけど。


8月28日。小田急線に乗ったら、藤子F列車だった!

うおーうおーと恥ずかしげもなく興奮する私…。


8月30日。12Kのgiuseppe ielasiのアルバムを聴く。

August

August

この人の音、妙にこころにひっかかってくるのだなあ。何も変わらないように静かに流れながら、時折うわッと震える波がやってくる。涼しくなった空気に合うなあと思ったらタイトルが「august」だった。