赤白つるばみ

このところ体のなかに鉛があるようで、伏し目がちになる。映画を見ることが重いしタワーレコードに行ってもピンと来ない。仕事ではスイッチ入ってこなせるし、無気力ではナイ。体が省エネモードな気がする。

赤白つるばみ 上 (愛蔵版コミックス)

赤白つるばみ 上 (愛蔵版コミックス)

赤白つるばみ 下 (愛蔵版コミックス)

赤白つるばみ 下 (愛蔵版コミックス)

楠本まきさんの新刊が出たことを知ったのは5月末に下巻が出てからだった。上巻も……と大きな本屋に行くも置いていなく、昼休みに会社近くの本屋で何気なく棚を見たら上下巻揃って置いてあって、驚愕した。新刊の長編としては17年振りだそう。17年! 頁を開くとその歳月を感じさせない、繊細な描線と余白がそこにあった。けれど描かれていることは17年の歳月を確実に感じさせてくれ、あ、と声が零れた。触れたら壊れそうな輪郭を持ちつつもタフに生きている人たちを今知ることが出来て良かった。この穏やかな日々は今はもうありえないかもしれない。しかし外因で線が揺らいだとしても、すっくと自分で生きていることだろう。

今私が省エネモードなのは、体が信号を送っているからなのだろうな。それは自衛であり、依存ではない。でも適時忘我出来るようになりたいとは思う。