”よしっ”


「恋人たち」という映画は私は好きにはなれなかったけれど、首都高の高架で覆われた川を通るたびに「アツシさんが”よしっ”って言ってるかな」と思ってしまう。映画の持つ、そういう力は大切だ。
この頃会社帰りに映画を見ることが出来ない。現実は小説よりも……を体感しながら仕事が終わって、コンビニでおにぎりでも買って映画館に駆け込んで、頭の切り替えも出来ないまま受け入れられるほど、タフではないのだと思う。好きなご飯屋さんにちょっと遠回りして立ち寄って、店主さんと一言話してごちそうさまでしたと言っていつもと違う道のりを辿り、”よしっ”と私に帰っていくよな、家までのひとりの時間が大切で、やっぱりナントカより団子なんだな、私。