昨日の反応を見るにつけ、
zestはやはりある年代の一部の人にとって、
象徴的な塔のような店だったんだと強く思う。
この繋がりで話したいのが、クワトロWAVE！
邦楽はHMV、洋楽はココで。
2FはUKUSの中の合間を縫うようなセレクトをしていた。
それこそ宝物を見つけるみたいで、暗くて狭い店の雰囲気も
落ち着いていて好きだった。
ここの輸入盤は他店よりも高かったけど
バイヤーの個性がセンスよかったので、ついつい購入してしまう。
お手製コメントカードの作り込み一つとっても凝っていて、
薦めたい！という熱意に溢れてた。
スウェディシュポップスもここで火がついたんだった。
カーディガンズにエッグストーン、だってマイブーム？
1Fにはスペシャのサテライトスタジオがあって、
夕方ユースケとトータスが生番組やってたな。
ロフトWAVEはテクノ色が強かったけど(こんな特色も、らしい)
一番強烈な思い出がある。
いつものようにCD見てたある日、
いきなりネバーマインドがかかり、
天井から吊りさがったディスプレイ画面に黒マジックで
太く大きく書かれた文字が浮かんだ。
カート・コバーン自殺！と。そのときのどよめき、店を包んだ空気。
そして六本木WAVE。
場所柄ここはオトナなちょっと異世界で、
あの黒のカタマリの中に乗り込む感じだった。*1
半透明の窓、薄く光が差す階段が好きだった。
4階の奥にあったアールヴィヴァン。とても買えないけど美術書を見るだけで至福のひととき。
それから地下へ降りてシネヴィヴァンで映画を見る。
ガレル、ロメール、デプレシャン。リヴェットにアサヤス。
上映後、ぼーっとしながら渋谷に向かって歩いた。
車のテールランプがビュンビュン行き来して、視覚を刺激した。
映画のシーンのいくつかとフラッシュバックした。
ほんの10年前の話、今はもうナイ話。
*2
