「Jimmy P」、渋谷駒場下北

1月17日のことを1月18日付で2月1日に記すなんてこれはもう完全に個人的記録なんだけどでもここに記すべきことだから綴っている。アンテナを日々巡回している人は今はもう少ないだろうし、後から「散策」カテゴリや検索で読む方もいらっしゃると思い、開き直りますすみません。
この日は一日盛りだくさんだった。イメージフォーラムで「ジミーとジョルジュ」を見た。落ち着いた佇まいの端正な映画で、こういう映画を撮りたかったんだろうなと思えた。デプレシャンも54歳。ただ今の私にすっと入ってくるものではなかった、なあ。映画として優れているのはわかるけれど、これまで私がデプレシャンの映画を見たときに「あ!」と思える瞬間がどうにもなかったのだった。恐らくは受けての心象にひどく繋がる映画であり、またいつの日かこの映画が胸にしみるときがあるのだと思う。

軽くサンドイッチを食べてから坂道をぐっと下って渋谷駅へ向かう。

空は水色の上に濃灰色が覆い被さり、何処かで雪が降っているのかな。銀座線車両が通り過ぎた。

東横線の駅舎はすっかり無くなっていたけれど、脳内で再生されたあの頃の風景に重なる。

井の頭線に乗り駒場東大前駅下車。ちょうどセンター試験の日だったから受験生らしき人も多く、彼らとは別の出口から降りて日本民藝館へ。二階の大展示室前に並ぶ壺にいつも心が留まってしまう。今日は西館も開館。障子のキッカリとした格子のあいまから零れるやわらかい光と影。

駒場から西へはこれまで何度も歩いているのに、曲がる角が違うだけで初めて歩く道になった。ここがどのあたりなのかわからなくなる。

なんとなく見知った建物が見えるとグイッと坂道を下っていく、まさに池の上から沢へ降りていくよう。行きたかった店のすぐ近くに出たときは鼻高々になる。

馴染みの店でひと休み。下北は着々と顔が変わっていく。新しいテナントビルに入る店はことごとくチェーン店だったり、店名とは別の株式会社●●なんてとこが経営しているような雰囲気で、いたたまれない気持ちになってしまう。本屋とレコ屋に寄って新代田へ。