玉川学園前駅から歩き始めた。駅前からすぐ坂道で、ここからはずっと起伏ある道のりだった。
どの家も道に面したガレージの横に階段があって、そのうえに住居があった。分かれ道のゆるやかに上る様に、昔々の往来がふっと思い浮かんだりした。坂を上ると開けた地になり、田畑の跡には白梅が少し咲いていた。そうして、街道を渡ると薬師池公園。入り口からぐぐぐっと深く下りていく遊歩道はびしゃりと濡れていた。昨日の雪はほぼ消えていた。大きな池があり、花壇というよりは畑が広がり、樹木で囲まれたこの公園は、里山をそのまま残したようだった。
更に西へ進み、ゆるゆると下ったその先は四方を坂に囲まれた大きな交差点で、その名称とおりの「谷戸」だった。ここから今度は坂を登っていく。ゆるやかにずっと続いて左へ曲がるカーブを抜けると、
赤と青のラインの!
うれしい!
こうして、団地が多く立ち並ぶエリアへ。広い広い敷地のなかの住棟の間を抜けて、さながら森の中を歩くようにうろうろと。
貯水池の真ん中におおきな鳥がいた。
その先には
給水塔のあるこの景色も、あと何年だろうか。古淵まで歩くつもりだったけれど、時間切れ。バスに乗った。
まだ冬、でも春に向かっている。