clouds taste metallic






今日はへんな天気だった。朝カーテンを開けると雲がひとつもなかった。白のなかにオレンジや青が一匙ほど混ぜたような色。昼は清々しい青空が広がり冬らしくない雲が浮かぶ、陽射しが強くて着込んでほこほこなからだが蒸し風呂状態に。雲が広がってきたなあと思ったら雨がぽつぽつ、天井に溜まった水滴が落ちてくるみたいな。そんな空の下、極めて日常の、なのに非日常な世界のなかにいた。

仕事帰りに平間至「Architectural Landscapes」を見に行く。「有名建築」をきわめて「普通」に撮影したことで、建物が建物でなくなっている「建築物サマ」を単なる建物として見た。薄い光が遠くてここちよい。
続き間ではトッド・エバリー「Hi-Fi+Wired」を。ヴィンテージの音響機器やコンピューターがズーーームアップされていて、単純にカッコイイ!スピーカの網目やボタンの配列やコードの束なんかが絶妙なバランスやシンメトリーさで目の前に突きつけられて、ヴァザルリなんかの幾何学抽象絵画みたいで素敵だった。
会場は元表参道ビブレがあったとこで、豪勢な建築物サマになったココのきらめき加減に力を奪われてしまい、2階にあったマルジェラを流したいと思ったがそれもやめて外へ出ると、通りはギラギラしていて思考回路が停止した。
頭をぷるぷる振って再び歩き出し駅に着くその手前、今日はつくる気も外で食べる気もなくなったのでイシイに寄って晩御飯を調達、ぱっと目に付いた「精進巻」という人参やら高野豆腐やらが具の巻き寿司を買って家に向かった。そんなに疲れたのかと思わせるセレクトに思えるなコレ。我が家の最寄り駅につきコンビニでアイスを買う。レディーボーデン*1の棒アイス、バニラ。私は駅から家までの道のりをアイスを食べながら帰るのが至福のひとときなのだけど(冷え性の寒がりなのに)、後ろから私を追い抜いたおじさんもアイスを食べていたもんだから心のなかで「同士よ!」と叫んだのだった。

はと麦茶を煎れて精進巻をぺろりと平らげ、今日の空模様を思い出してコレを聴いた。

Clouds Taste Metallic

Clouds Taste Metallic

このアルバムの、ぱりぱりと空の銀紙が剥がれ落ちる音が大好き。

*1:って子供の頃たまにしか食べることのできない高級アイスの位置づけだったけど今は懐かしアイテムの位置づけに降格・・・