虹の空

日曜日の夕方、外で食べようかと家を出たのだけど私もY氏も疲れてたのかイライラしていて、ドコに入るかだけでも決まらなく、なんだかんだでカレーを食べることにした。今月の夜カレーを頼む。トマトとセロリに茗荷にオクラが入ったカレースープは澄んでいるけれど、口にいれると「カレーな」スパイスが香った。さっぱりとしていてするすると、おいしいおいしいと夢中で食べ進んで店を出た。
交差点で向いのひとたちがケイタイで写真を撮っていた。なんだろうと思っていたらY氏が「虹だ!」という、振り返ると

わああああ!とても大きい弧を描いて、まさに虹、だった。歩きながら振り返っては虹を眺める。

教会の向こうにかかる虹。「十字架と虹」、偶然出会えた幸せのしるしに思えた。近くにいたおじさんが「こんなセットで見れるなんてきっといいことあるよ〜」って言った。うん、そう思いますって笑顔を交わした。歩いているとみんな見上げてる、虹だーって声、ケイタイのシャッター音、こうやってみんなのこころへ写し取りながら虹はすこしづつ消えてゆく、空は赤さを増してゆく、ああ幸せだなあ、さっきまでのイライラはすっかり消えていた。