写真美術館で3つの展示

恵比寿の東京都写真美術館で現在開催している3つの展示は、私にとってどれも興味惹かれる内容で楽しみにしてました。ああ、大充実!

  • 「躍動するイメージ - 石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」展

まずは、一番楽しみにしてた展示から。アブストラクト・アニメといえば「オスカー・フィッシンガー」!今回はあくまでも「源流」なのでサラッと紹介してる程度だけど、やっぱり楽しいなあ!バッハに合わせて"シュイッ、シュイッ、シュー"と踊る「線と形」を見るだけでココロも踊る。カッコイイなあ。

今回展示してるのはモノクロ作品ですが、無かったのでコチラを。
そして石田尚志さんの映像作品。濃密濃厚スゴカッタ。有機的な線描の執拗さに目眩がする。瀧口 修造や、70年代の日本の銅版画作品に共通する「湿った」感触がある。だから1972年東京都生まれと後で知って、びっくりした!

すっごく混んでた!何かで紹介されたのかしら…。こんなに市民権?ある展示だとは思わなかったよ…。それにしても、どの写真もパシッと決まってて、スッと心に入ってくる。決まりすぎてて逆に素直に感じる。どちらも「たおやかに力強い」とでもいうような魅力があるけれど、木村伊兵衛はふっと空気が抜けて行く感じ。ブレッソンはキッカリ、デザインしてますといった具合。一方は木造で一方は石造、なんだか東洋と西洋の差を感じてしまう。コンタクトフィルムをじっくり見ることで出来たのも、面白かった。シャッターを切るに至る「心と指先の動き」が見て取れた。


  • 「出発 - 6人のアーティストによる旅」展

日本の新進作家展。作風も「2000年以降」を感じさせるものが並びますが、各作家の"視点"の違いを感じつつ、世界を旅しました。
そんな中驚いたのは、さわひらきさんの映像作品。David SylvianのPVではないですかっ!白い四角い空間にぽおぉぉん…と広がる声と映像。不思議な「間」に満ちていて、吸い込まれてしまった。「ここ」でも「どこ」でもない景色のなかを飛んだ。家で見るのとは違う、包まれる感覚がよかった。


帰りはふらふらと寄り道散歩道。新しいギャラリーを見つけ、素敵なブックレットを購入し、年始の願いどおりに「不意に、思いがけず」出逢えたことを嬉しく思う。そして夕暮れ。