藤掛正隆&早川岳晴 PRESENTS〜崖っ縁SESSION VOL.23

2007年初頭よりはじまった藤掛正隆dsと早川岳晴bassによるジャンル無用のセッションシリーズ。ファンクパンクアヴァンギャルド版スライ&ロビーを狙う!といったキーワードも飛び出し、強力なパルスを発すべく意を決した2人のリズム体を核に、毎回多彩で強者ぞろいの真の音楽表現者をゲストに迎え、まさに崖っ縁のフリーセッションを繰り広げる瀬戸際度満載のライブシリーズ。

ということで、過去にはJOJO広重山本精一、最近では向井秀徳が参加しているというこのセッション。今回はdipヤマジカズヒデPANICSMILEの吉田肇と参加ということで、荻窪*1まで向かったのでした。にしても、何故ヤマジが吉田さんと?対バンはしたことあるけど、藤掛&早川両氏によるセレクトなのでしょうか。


早川岳晴さん(b)と藤掛正隆さん(ds)は出ずっぱりで、まずは吉田さんとのセッションから。
彼のギターカッティングは、パニスマを思い起こすNO WAVEに刻まれる、ガクガクと狂っていく音*2がカッコイイ。
続いて登場、ヤマジさんはエフェクター使いながらガガガッと刻むフレーズが、ああーヤマジだねえという音色。どんどん深まりながら拡散し変容する。途中でカチッとヤマジにスイッチが入ったのがわかった。それと同時に私もブルッと高ぶった。
最後に4人でセッション。藤掛さんに「2人のギターからどうぞ」といわれて、恐縮気味に静かに始まったのだけど徐々にヒートアップ、吉田さんとヤマジさんのそれぞれ個性が異なるギターの線が自由闊達に踊りだすように、場を作り出す早川さんと藤掛さんの強力な土台。ぶわーーーーっとどこまでもどこまでも続いていく、この渦に飲み込まれてなんかもうワケわからず、なんやかんや忘れていた。


こういうの、もっともっと聴きたいなあ。そういえば、達也さんとdavid J(!)と3人でやるとかいう話しは一体どうなったんだろう…。


これを書いている12日には久々にqybのライブが久々にあったけど、行かなかった(もしqyb検索で来た方、スミマセン)。んで、セットリストを見たら選曲いいのねえー!カバー曲なんて「fire engine」に「t.v.eye」デスよ!どーん!うわあ…。。。実のところ、今のワタシにきゅーちゃんドラムは重いかなあ&私の中でdipとのバランスが取れないなあと、躊躇したのでした(これは後者の気持ちが強いネ…)。
でも、まあ、今日は素敵な映画見たから良いのだ!
ところでdipをこれから聴いてみようかなという方には、いぬん堂さんで購入出来る「2008.11.29 ikebukuroCHOP oneman」をオススメしたいぞぞぞ。

*1:でライブ見ることになるとは!昔高円寺の外れに住んでたときの休日といえば、朝bagleでパン買って→中央図書館行って→ぐるっぺで一週間分の野菜買うというのが黄金コースだったので、ここでライブ見ること自体が感慨深いわたしなのである。

*2:なんで90年代後半に「こういう音」がクローズアップされたのだろう。何故こういったバンドがシーンに出てきて、しかもロック的市民権を得たのか?バンドの佇まいもファン層も含めて、日本の「ロック観」が変わった気がするのだなあ。こういう話し、以前ミッシェル映画のときにも書いたような、個人的雑感ですが。この点で「dippanicsmile」というのは、ある意味わかりやすいサンプルではないかなあ。今回のギターの音色の違いも明らかだけど。